【失敗しない!中国ものづくり|第17回】日本語通訳に分かり易く会話をす...

2020/2/12 ロジ

【失敗しない!中国ものづくり|第17回】日本語通訳に分かり易く会話をする方法

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第8回目のコラムで、中国企業の日本語通訳に対して私たち日本人の話している言葉は、実は約20%は伝わっていないことをその理由と共にお伝えしました。そしてその対策として「子供と話すようにして話す」ことが大切であるともお伝えしました。今回のコラムでは、それ以外に話し方で工夫することと、日本語で仕事を進める私たち日本人の心構えに関してお伝えします。

 

日本語で仕事を進める日本人の心構え

日本のビジネスマンが海外で仕事をするといえば、以前は欧米で苦手な英語を使って会話をしていました。私たち日本人は、未熟な英語力ながらも最大限の英語力を駆使して仕事をしていました。相手の欧米人が分かり易い英語で話してくれると仕事は順調に進み、容赦ないスピードで話をしてくると、私たち日本人は四苦八苦してしまったのです。会議中に、「さっきのって、あれ、どういう意味かな?」や「こんなニュアンスで言ってたんじゃない?」と日本人同士でヒソヒソ話をした経験のある方は多いと思います。ビジネスは7割方「言葉」で進められます。「言葉」とは会議での会話、メールの文章のことです。契約の文章などもあります。つまり英語で仕事を進めるということは、それを母国語とする欧米人にビジネスの主導権を握られているようなものでした。よってそのビジネスの成否は欧米人にかかっていたといっても過言ではなかったのでした。
しかし現在は、中国やアジア圏で日本語通訳を通して日本語で会話は行う場合がほとんどと思います。この場合、中国人の日本語通訳は最大限の日本語力で私たちの対応をしてくれます。よって前述の逆を考えると、私たち日本人が分かり易い日本語で話せば仕事は順調に進み、容赦ないスピードで話したり難しい言葉を使ったりすると、日本語通訳は理解できず仕事が上手く進まなくなってしまうことになります。日本語通訳を通して行う仕事が上手く進まない場合に、日本人はよくこのように言います。「ちゃんと言ったハズなのに」、「本当に分かっているのかなー」と。しかし日本語で会話をしているということは、そのビジネスの主導権は私たち日本人が握っているわけで、このような言葉が出てくることはとんでもない間違えであるのです。仕事が上手く進まない原因は日本語で仕事を進める日本人の話し方にあり、つまりそのビジネスの成否は日本人にかかっているのでした。 (図1)

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図1 日本語で会話をすることは、日本人がビジネスの主導権を握っているのと同じ

 

一文章一内容で話す

第8回目のコラムで中国人の日本語通訳に話すときは、「子供と話すようにして話す」とお伝えしました。これが話し方の基本になります。これに追加して、中国人に理解してもらい易い話し方を2つお伝えします。まずは「一文章一内容で話す」です。

例えば「ここのビスは、明日の朝メーカーから届くビスと交換してからビス留めしてください」と日本語通訳に言ったとします。ちょっと長い文章です。もちろん日本語通訳の日本語レベルによりますが、この文章では確実に伝わりにくいときがあります。理由はこの文章には3つの内容が含まれているからです。では、これをバラしてみたいと思います。

「明日の朝メーカーからビスが届きます」
「このビスと届いたビスを交換してください」
「届いたビスでビス留めしてください」
このように一文章を3分割してお話すると、とても理解し易い文章になります。(図2)

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図2 一文章一内容にして話すと、理解しやすい

日本人同士でも、例えば「~の~の」と文章が長くなると理解が難しくなります。特に外国語を聞くときに、一つの文章に一語でも知らない言葉が含まれていると、そこで理解がストップしてしまいその後の文章が聞き取れなくなってしまうときがあります。これを避けるために外国人に話すときには、一文章一内容を心掛けると良いでしょう。このようにすると相手が内容を理解しているかを一文章ごとに把握できるので、どこの言葉や内容が理解できていないのかがすぐ分かります。そうした場合には言葉を言い換えたり、現物や写真を見せたり、イラストを描いたりして別の手段で内容を伝えることができます。

 

誘導的な質問の仕方はしない

次は誘導的な質問の仕方をしない、ということです。一つ例を挙げたいと思います。「この部品は塗装した後に10分以上乾燥させてますよね?」と質問をしたとします。この質問者は「10分以上か10分未満か」を確認したくて、この質問をしたとします。しかしもし塗装担当者もしくは日本語通訳が「10分以上」を聞き取れなかったとしたら、ほとんどの回答は「はい」になります。その理由は、人は一般的に聞き取れた部分だけを理解して回答をしようとします。つまりこの文章では「この部品は塗装した後に乾燥させてますよね?」という質問になってしまっていたのです。以前、英語圏で英語を用いて仕事をしていた頃、日本人が「Oh, yes yes OK OK!」を連発していたのはこれが理由です。(図3)

私の経験では一般的におしゃべりな人は、このように自分の想定する回答を先に言ってしまう傾向があります。つまり相手の回答を自分の想定する回答に誘導しているのです。私はこのような質問をする場合には、「この部品を塗装した後に、乾燥する時間を教えてください?」と質問します。そうすれば「5分くらいです」や「20分以上」とかの真の回答を得ることができます。

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図3 回答を誘導する質問の仕方をすると、回答はいつも「はい」になる

 

ちょっとしたコツみたいなものですが、是非試してみてください。

 

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ソニー(株)に29年間在籍し、メカ設計者としてモニターやプロジェクター、プリンターの合計15モデルの商品化を行う。ソニー退職直前には駐在を含み7年間わたって中国でのモノづくりに携わり、約30社の中国メーカーで現地部品の立ち上げと、それに伴う製造現場の品質指導を行う。このときに、中国で発生する不良品やトラブルの60%は日本人の設計者に原因があることが分かり、その対応方法を広く伝えるべくソニーを退社し、2017年に「中国不良ゼロ設計相談所」ロジを設立する。 専門領域:CAD設計、商品化技術ノウハウ、冷却技術、防塵技術、部品メーカー品質指導ノウハウ、中国メーカーとのコミュニケーションノウハウ