IoT、AI、ロボットはいくら?

IoT、AI、ロボットはいくら?

IoTやロボット、AIなどの新しい技術について、多くの企業が必要性を感じているにも関わらず、導入に踏み切らない。そこにジレンマを感じているサービス提供者は多い。

その要因はさまざまあると思うが、結局のところ「価格に対する不安」を払拭できていないことに尽きる。価格を尋ねると「システムだから一概には言えない」「案件ごとに異なる」と口をそろえて言われる。

理解はできるが、購入する側からすれば目安が分からないのだから一歩を踏み出せないのも当然だろう。

 

▼いまは一般的になったが、1990年代に家電メーカーが製品の希望小売価格を止め、オープン価格にした時、消費者から大不評を買った。家電量販店が激烈な競争をしていた時代、ライバル店から販売価格を隠すため、値札から価格表示が消え、「オープン価格 店員にお尋ねください」へと変わった。

当時はインターネットで簡単に価格を調べられなかったので、チラシでも店頭でも価格が分からない。結局、消費者は複数の店舗を回って店員に尋ねるしかなかった。

欲しくて価格を知りたいのにそれが分からない。そこに不満と不信感を感じた消費者は多かった。

 

▼いまはWEBで自分の希望を伝えると簡単に見積もりが出てくるサービスがたくさんある。引っ越しや自動車保険などが有名だが、製造業の分野でも部品加工で行っているケースがある。

見積価格は100%の精度ではないが目安になるのでとても好評だという。見積もり後に電話やWEB相談を通じて案件を詰めていくこともでき、ユーザーは安心感が高まる。

新しい技術の中身と、それによって生まれる価値も大事だが、どこまで行ってもユーザーにとって最大の関心事は「価格」だ。そこを解決しない限り、受注の加速は難しい。いまは普及の初期段階、ユーザーの懸念点は価格の高さではない。いくらかかるのか、それを知りたがっている。


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。2016年5月〜「ものづくりニュース by aperza」編集長兼任。 趣味は釣りとダーツ