【便利ツール】レベル4のAI搭載、ベテラン検査員の技を持つ画像検査システム(アドダイス)
「製品や部品の外観検査は、ベテラン検査員でないと判別が難しい」という現状を打破するツールが登場した。
「ITで感動を伝える、ITで社会を良くする」を使命とするアドダイス(東京都台東区)の「HORUS(ホルス) AI」は、ベテラン検査員の技能を学習する自動画像検査システム。
熟練者の技能継承や検査業務の負荷と工数の削減、また検査員や時間帯によって判定ムラが起こらない安定した品質管理が可能となる。
センサーやカメラ、顕微鏡と組み合わせて、AIを使用した外観検査が導入できる「HORUS AI」は、難しい専門知識やプログラム入力が不要。すぐに使えるようIoTの接点装置とのセット販売も行っている。
コンサルやシステムインテグレーターも必要なく、熟練者しかわからない微妙なキズや凹みなども、現場で簡単に学習させられるという。
「コンサルタントがヒヤリングしながら進めていくとかなりのステップと時間がかかり、うまく伝わらなかったり、共通認識がないためコミュニケーションロスが発生する場合も」という代表の伊東大輔氏。
その結果、現場サイドには使いづらいものになってしまう可能性もある。そのため、ユーザー自身が深層学習をさせることにより、納入先ごとの出荷基準や歩留まりを考慮しての判別も可能にしている。
▲「HORUS AI」は、エジプト神話に登場する神様「ホルス」から、“悪いものは見逃さないぞ”という意を込めてネーミングしたそう
そして一番の特長は、人が長年の経験によって積んだ匠のノウハウや勘、マニュアル化が難しい部分を、このAIは学習してしまうことだ。
最先端であるレベル4のAIによって、人の脳で行っていた判断をコンピューターで実現し、従来の画像処理方式が苦手とする熟練者の技能も短期間で学習してしまう。
ベテラン検査員がアプリに登録した判断の示唆を学習しパターンを読み取り、自律的に管理できるようになるという、同社の特許技術となっている。
このレベル4のAI技術は検査だけでなく、工場内の設備の突発的な故障を予測し、遠隔保守や予兆保守を可能とする「SEE GAUGE(シー・ゲージ)」などにも搭載されている。
ベテランの勘と経験で行われていた技能の継承や、品質と稼働の安定性、省人化、省力化など、今後の工場の強い味方になりそうだ。
▲アドダイスの伊東大輔代表取締役社長