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食品メーカーにおける短納期から考えるプロセス改善

食品メーカーにおける短納期から考えるプロセス改善

食品は、人間の生活の基本を占める要素であり、世界中どこでも求められるものです。

機械製造業のなかでも、食品メーカーで用いられる食品加工機械は特殊といえます。

なぜなら、大量生産・大量販売をするほかの機械と異なり、食品加工機械は各社それぞれに要求される基準や加工内容などが異なり、ほぼオーダーメイドの世界だからです。

 

そのため、複雑な機構を備えることが多い食品加工機械の製造には、組み立ての高い技術力、多種多様な部品の調達・管理能力、加工技術が要求されます。

食品加工機械の分類と市場規模

日本食品加工機械協会によると、食品機械とは「主として農産物、畜産物または水産物を原料素材として加工処理し、これを多種多様な食品、飲料、調味料等に調理生成するための工程において使用される食品機械・器具及び装置」と定義づけされています。

明治初期の製麺機の開発からはじまり、精米機、餅つき機、製菓用のあん製造機などの開発が進んだことで、各分野の有力個人商店が機械化を進め、食品メーカーとして発展していきました。

食品加工機械の具体的な種類には、精米機械、精麦機械、製粉機械、製めん(麺)機械、製パン機械、製菓機械、醸造用機械、牛乳加工機械、飲料加工機械、肉類加工機械、水産加工機械、製茶用機械、豆腐製造機械、調理食品加工機械、その他食品及び飲料の加工機械、食料品加工機械などがあります。

 

これだけでも多岐にわたる機械があり、生活に密着していることがわかります。

日本食品加工機械協会のデータでは、2014年の食品機械の販売額は4,482.1億円。

機種別には、乳製品加工機械551.7億円(3.2%増)、飲料加工機械226.0億円(2.8%増)、製粉機械 125.8億円(2.0%増)、肉類加工機械184.8億円(2.0%増)などが販売拡大しました。

食品加工機械の開発目的

食品メーカーはさまざまな食品の製造に向けた新たな機械の開発・既存機械のグレードアップなどを行っています。

例えば下記のような目的です。

 

・新商品の開発

・ラインの省力化、自動化、省人化

・廃棄の削減

・装置・ラインのトラブル削減

食品加工機械開発の納期遅延が新商品の開発にとって命取りになることも

さらに新たな機械の開発で考えなくてはいけないのは、納期の問題があります。

製造業では「納期は命より重い」と言われるほど重要視されており、品質(Quality)、価格(Cost)、納期(Delivery/Time)の頭文字をつなげた「QCD」のひとつにも挙げられています。

「期日を守る」というのはシンプルなことですが、製造業のかなめでもあり、企業のブランド力の向上には欠かせません。

 

食品加工機械の場合、新たな機械の開発やアップグレードは新商品の発売と密接な関係があるため、食品加工機械開発の納期遅延が発生することが食品メーカーにとって後々命取りになる可能性もあります。

このことから、たとえ短い期間で食品加工機械の開発を行う必要があるとしても、納品を間に合わせなければ重大な損失を生んでしまう可能性があることを念頭においておかなければなりません。

食品加工機械のグレードアップでコンプライアンス厳格化にも対応

食品業界のコンプライアンス厳格化にも対応するためには、食品加工機械のメンテナンスと改善が重要になってきます。

食品業界のコンプライアンスが強化された背景には、近年頻発した食品メーカーによる事件・事故があります。

例えば、2009年に発生した消費期限切れ原料(牛乳)を使用してシュークリームを製造、細菌数基準を超えた製品を出荷した事件(食品衛生法違反)。

 

2010年には基準に満たない等級の牛肉をブランド和牛の「飛騨牛」と不正に表示して販売した事件(不当競争防止法ほか)などがありました。

その結果、2009年以降検挙件数・検挙人員ともに高い水準で推移しており、自主回収の件数も2009年は前年比3倍に達しています。

こうした事件が起こる背景には、食品メーカーの「もうけ主義」や「損失回避」のほかに、経営者・労働者の知識不足なども起因すると考えられます。

 

昔であれば見過ごされがちな問題でも、最近では消費者の意識変革に伴う衛生意識の向上、国際的な安全規格の制定で食品メーカーに対する監視の目は強まっています。

さらに、ツイッターやフェイスブックといったSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の発達で、一人の消費者からの告発が国内外をにぎわす一大不祥事に発展することも多くなっています。

こうした中で、機械に使われる技術の向上やメンテナンスは日々の操業にとって最も重要になっています。

 

例えば、製品の品質を保証する監査に向けたメンテナンス記録の保持など、生産データのフルトレーサビリティが求められており、定期的に食品製造加工機械のメンテナンスとグレードアップをすることが重要です。

まとめ

食品業界の中で、食品メーカーは納期とコンプライアンスを厳守するために、食品加工機械の新規開発およびグレードアップが重要になることをお伝えしました。

競争が激化する中、他社に先んじてビジネスに勝つためには、食品加工機械に対する投資は欠かせないものとなっています。

 

出典:『日本の製造業革新トピックス』株式会社富士通マーケティング


20年以上のサポート経験から培ったスキル・ノウハウを基に、富士通マーケティングの先進の製造業サポート推進チームが、日本の製造業の動向や現状の課題を紹介していきます。 基本のQCDや環境、安全など、毎週、旬なトピックスを展開します。