IFR サービスロボット統計調査、22年に495億ドル市場
掃除・倉庫・検査特定作業型がけん引
人手不足の解消や生産効率化に向けて工場への導入が広がる産業用ロボット同様、屋外や人の生活空間で人をサポートするサービスロボットも着実に普及が進んでいる。
国際ロボット連盟(IFR)は、サービスロボット世界市場の統計調査を発表し、2022年には家庭用・業務用を合わせたサービスロボット市場は18年の3.8倍となる495億ドル(5兆2965億円)に達すると予想している。
2018年の約4倍 物流用は急増
18年のサービスロボット市場について、家庭用ロボットは世界で1630万台が販売され、販売額は前年比15%増の37億ドル(3959億円)に達した。今後も順調な成長が見込まれ、19年には35%増の2210万台、27%増の46億ドルに伸長し、22年には6110万台、115億ドルに拡大すると見られている。
家庭用ロボットの中心となっているのがお掃除ロボットや芝刈りロボットなど家事ロボット。18年は1220万台・25億ドルで家庭用ロボットの4分の3を占めており、22年には5510万台、97億ドルまで拡大が予想されている。
業務用サービスロボットは、18年は27万1000台を販売し、販売額は前年比32%増の92億ドルとなった。こちらも強い拡大傾向で、19年には33%増の36万1000台、37%増の126億ドルになり、22年には100万台、380億ドルになると見られている。
業務用ロボットの需要の中心はAGVなど物流ロボットと、検査・メンテナンス用ロボット。
物流ロボットは世界的にEC(電子商取引)が普及して取り扱い荷数が増えている背景と、主要メーカーからの製品が投入されていることから急速に増加。18年は60%増の11万1000台が販売された。うち10万3000台が倉庫やロジスティクスセンター、病院など。製造業向けは7700台だった。19年には58%増の17万6000台、22年には71万2000台に達するとされている。
手術用ロボット19年以降に期待
検査・メンテナンス用ロボットは10万6000台が販売され、業務用サービスロボットの39%を占めた。かなり低価格の標準ユニットから高価なカスタムまで、幅広いロボットをカバーしているという。
また手術ロボットなど医療用ロボットは18年には50%増の5100台が販売され、19年に7200台、22年には1万9700台に到達する見込み。手術用ロボットの主要特許はダヴィンチが持っていたが、19年にその多くが期限を迎えることから、日本を含めて多くの企業が参入する見込みで、普及に拍車がかかりそうだ。
農業用ロボットは、搾乳ロボットが5800台(8%増)販売され、畜産業界に少しずつ浸透している。農業ロボットは今後の成長が期待されており、18年の480台から19年には720台(50%増)、22年には2400台が期待されている。