【工場のIoT導入をどう進めるか?】FAプロダクツ貴田義和社長「現場を巻き込んでスモールスタート」
Q. 日本の製造業のIoT化は進んでいる、遅れている?
当社は、工場設備とITの両方の知見をもとに、IoTシステムやロボット、自動化装置の製造と販売、導入コンサルティングを通じて、工場をスマートにする「スマートファクトリー化」の支援を行っています。IoT化したいというお客様からの相談が急激に増えていますが、全体で見れば、決して順調に進んでいるという印象は受けません。
Q. どのあたりが課題だと思いますか?
日本でスマートファクトリー化が進まない理由は3つあります。1つ目は、製造現場と、情報システムなどIT側、さらには経営層まで関係者が多く、すべての領域の知見をもって要件定義が進まないこと。2つ目は、要件定義が進まないままベンダーに相談すると提案が大げさになり、導入コストが高価になって予算が合わないこと。3つ目は見える化に対する製造現場の抵抗感があり協力が得られないことがあると思います。
Q. 御社の解決策、取り組みは?
解決には、設備とIT技術の両面を持ったキャラクターによる正確な要件定義も必要ですが、まずは一番わかりやすいオペレーション部分でスモールスタートすることが良いと思います。現場を巻き込んで小さく始め、現場にIoTの良さをわかってもらうことが有効です。
当社はそれに適したIoTパッケージとして、2017年6月に「工場見える化パッケージ」をリリースしました。稼働監視用の表示機能付IoTサーバー(HMI)と、帳票作成用のExcelアドインソフト、既存設備への組込みのための稼働監視ソフトがセットになったパッケージです。
既存設備を活用することでコストを低く抑え、現場の面倒な作業負担を減らすための帳票の自動機能があり、将来の拡張を視野に入れてカスタムもしやすくなっています。
国内外250種類以上のPLCに対応し、既存の設備そのままでデータ収集ができ、手元に届いてから最短1日で導入できます。帳票や日報の自動作成にも対応し、Excelでいま使っている帳票にフォーマットを合わせることもできます。
また拡張性にも優れ、段階的な拡張が可能。ある工程だけの稼働監視から始め、設定を追加するだけで複数台の監視も可能。OPC UAにも対応し、上位システムとの連携を容易となっています。さらに、導入価格は1セット50万円~の低コストで導入でき、まずIoTを試してみたい、小さく始めたいという用途に最適な構成となっています。