日本のIoT化は”遅れて”はいない。ドイツと進め方の違いを考える

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日本企業のIoT化が欧米に比べて遅れているとよく言われるが、これは本当だろうか? 総務省の情報通信白書によると、欧米ではIoTの導入・基盤構築段階に入っており、日本企業は検討段階にとどまり、若干遅れ気味であるとまとめている。また、GEやシーメンスをはじめ、欧米企業の先進的な事例がよくニュースで取り上げられている。総合的にみると、データ的にも、情報流通量でも欧米が先行している印象は否めない。

▼先日、ドイツのインダストリー4.0の運営にも関わる人物と話すチャンスがあった。SCF/計測展の様子と日本のIoTの印象を聞いたところ、意外な答えが。「日本にはこれだけ多くのIoTのアプリケーションが出ていてビックリした。稼働監視や予知保全など、具体的なものがたくさんある」。彼曰く、ドイツでは産官学挙げて標準化や規格整備を行っている段階で、具体的なアプリケーションなどは次のステップだという。しかし日本はアプリケーションレベルでの活動が活発で、両国のIoTのアプローチの違いに興味をもった様子だった。

▼国が違えば考え方も異なる。日本とドイツの得意分野はそれぞれ違う。よく言われることだが、ドイツは標準化や規格化といった大枠づくりを得意とし、土台を整えてから順に進めていく。一方の日本は、まずは始めてみて、仕組み等は後回しのことが多い。IoTの今の状況も、まさにその図式通りに進んでいる。標準化や規格化は欧米に一日の長があるようだが、もし日本企業が現場レベルですでに実践しているIoT活用モデルを、いち早く欧米が進めている規格に合わせることができたらどうだろう? ベースとなる規格は欧米モデルでも、具体的なアプリケーションは日本が主導できる。日本の製造業の強みは現場と言われる。現場×IoTの強みを、いち早く海外に展開できるようにするためにも、各企業が日本を飛び越えて、海外規格に合わせてしまうというのも有効な一手だ。そうしたチャレンジある企業が登場することを望む。

 

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1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。