日本の現場力+デジタル技術・IoT=鬼に金棒

日本の現場力+デジタル技術・IoT=鬼に金棒

「弘法は筆を選ばず」といい、名人は道具の良し悪しを問わず、その技術を発揮するとされる。もし弘法大師が最高の筆を持ったらどんなに素晴らしい書ができるのだろう。想像するだけでワクワクする。

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▼一流の技術を持った人は一流の道具を使いこなし、技術と道具の相乗効果を得て新たな付加価値を創造してきた。そして、その能力を最大限に発揮することでさらに成長し、それにともなって道具もまた進化してきた。一流の技術を持つ人と道具はお互いに高め合う表裏一体の関係であり、一流の技術者に一流の道具が似合うのはそのためである。

▼日本の製造業は、衰えたとは言え、いまだに世界でも一流のクラスにある。特に現場の強さは健在で、ムダのない製造の文化が定着し、いまだ現役で活躍しているベテラン技術者とそれに続く人が数多く在籍している。日本は高い技術と意識、能力を持った一流の現場の技術者が、いまの最先端で一流であるデジタル技術やIoTを使い、相乗効果を生み出すことができる世界唯一の国である。ムダを削ぎ落とした製造基盤の上に、人の能力を最大限に活かしたデジタル化を実現する、これは日本だからこそできることだ。実は、第4次産業革命、インダストリー4・0の実現に最も近いのは日本という意見もある。「日本の現場+デジタル、IoT=鬼に金棒」である。さあ自信を持ってチャレンジしよう!


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。