三菱電機、世界初AI使い機器診断 高精度異常を検知

三菱電機、世界初AI使い機器診断 高精度異常を検知

三菱電機は、同社のAI技術「Maisart(マイサート)」を使って、センサデータから製造設備の動作の移り変わりを表す「状態遷移モデル」を自動で生成し、より高精度に異常を検知する機器診断技術を世界で初めて開発した。

記者会見する情報技術総合研究所 楠和浩所長

記者会見する情報技術総合研究所 楠和浩所長

 

製造設備をはじめ、駆動部を持つあらゆる機械や設備は、複数の動作の組み合わせで成り立っている。例えば工作機械ではワークの投入、加工、取り出しという動作があり、それぞれの工程で適切な動作モードがある。

従来のAIを使った機器の異常検知は、動作を区別せず、機器全体で決まったしきい値のなかで予兆を検知してきた。それに対し今回開発した技術は、動作ごとに適切な検知条件を自動設定し、同時に動作の移り変わりを自動で見つけ出してモデル化して、動作単位の細かな設定で予兆を検知できるようにした。それらを組み合わせることで、従来85%ほどだった予兆検知率を95%まで高めることに成功した。

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出典:三菱電機「AIで高精度に機器の異常を検知する診断技術を開発」


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。