【1分で分かる第4次産業革命その②】 産業革命って何?

【1分で分かる第4次産業革命その②】 産業革命って何?

ニュース等で聞く機会が多くなった第4次産業革命。言葉は知っていてもその中身はよく分からない、色んな場所で意味が曖昧なまま使われて理解が難しいなんて言われます。

とは言え、ここまで言葉が浸透して一般的に使われ始めると、いまさら「第4次産業革命、インダストリー4.0って何?」と聞きづらくなっていますよね。

そこで、「1分で分かる第4次産業革命とインダストリー4.0」をテーマに、皆さまに解説していきたいと思います。

2回目のテーマは、「そもそも産業革命って何?」をシンプルに説明したいと思います。

※第1回目「第4次、4.0って何?」はこちら

産業革命って何? 言葉の意味から考える

本質を見るには、言葉の定義から捉えるのが鉄則。こねくり回すと難しくなってしまいます。

産業革命は、産業 と 革命 という2文字から構成されます。

それぞれを一言で表すと、

産業は、「製品やサービスを提供するための経済活動のこと」
革命は、「既成のものがひっくり返り、新しいものになること」

つまり産業革命とは、

今ある経済活動が、何かしらの原因でひっくり返り、新たな経済活動に置き換わること

と定義できます。

何かしらの原因というのが、その時々の「革新的な技術」で、

第1次産業革命 蒸気機関 (力)
第2次産業革命 電気・電力 (力)
第3次産業革命 コンピュータ (頭脳)
第4次産業革命 IoT (頭脳)

これらの技術を元にさまざまな製品やサービスが生まれ、社会が変わっていくのが産業革命です。

産業革命が起こるとどうなる?

産業が変わると社会が変わります。

産業が変わるということは、市場に流通する製品やサービスが変化し、人々の価値観を変えていきます。具体的には、仕事の仕方、時間やお金の使い方、何に楽しみや喜びを感じるかなど。そうなると、そうした価値観(ニーズ)に合わせた新しい製品やサービスとそれを提供する企業、仕事が生まれ、変化を加速していきます。逆に、その変化によって、なくなっていく製品やサービス、企業も出てきます。

例えば、第1次産業では蒸気機関の発明によって、その技術を使っていろいろな新しいものが誕生しました。

蒸気機関車を例にとると、それまでの陸上交通は馬車が主流でしたが、蒸気機関車によって馬車よりも安く大量に早く人と物の移動ができるようになりました。それにより、人と物の交流が活発になり、文化圏・経済圏が混ざり合って新たな社会構造ができていきました。

このほか、蒸気機関で工場作業が手から機械化され、より大量に安く作れるようになりました。これにより経済が変わり、人々の働き方や意識も変わりました。

産業革命の期間は?

フランス革命のような歴史的事件は発生した年を表せますが、産業革命は特にいつから始まり、いつ終わったという明確に区切られていません。おおよその年代で括り、その期間も数年単位ではなく、数十年の期間とすることも珍しくありません。

第1次産業革命 18世紀半ばから19世紀
第2次産業革命 19世紀半ばから20世紀
第3次産業革命 1970年代〜2000年代ころ
第4次産業革命 2010年代〜
 
ですので、2014年ころから日本でも言われ始めた第4次産業革命も、いま起きていますが、それが定着してある程度の完成形になるのは、もう少し先になります。とはいえ、すでに始まっていること。初動の対応が、後々を左右するので、早めに取り組むことが大切ですね。

※第1回目は「第4次、4.0って何?」はこちら


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。