日本で製造業のサービス化は進んでいるのか?

日本で製造業のサービス化は進んでいるのか?

9月13日夜、東京・渋谷のディー・エヌ・エーでSCF・計測展のプレイベントとなるトークセッション「第4次産業革命—ニッポンのIoTはどこへ行くのか」が行われた。30人ほど参加の小さな限定イベントで、今回は2月に続く2回目。前回は第4次産業革命に興味津々のツワモノどもが集まり、お酒が入って収拾不能の大放談会となったが、今回もやっぱりそうなってしまった。

▼テーマは「ものづくり未来イノセンス~どこまで進んだ? ユースケース」。製造業代表としてシーメンスの神澤太郎氏、そしてテクノロジーを駆使して新たなサービスを次々と生み出している企業代表としてディー・エヌ・エーの本所卓也氏、楽天の陰山貴之氏がパネリストを務めた。日本国内でもさまざまな事例が出てきたなかで、今回は特に「製造業のサービス化」にスポットを当てて白熱した議論が交わされた。

▼第4次産業革命、IoTというと生産効率化や予知保全などに注目が集まっている。公開されているユースケースの多くがこのパターン。サービス化して新たなビジネスを生み出している例は滅多にない。トークセッションでもこれに対して懸念する意見も出ていた。以前、私はこのコラムのなかで「ものづくり」という言葉が嫌いだと書いた。ものづくりというと高品質を作れば万事オッケーという意味合いが強く、最も肝心な「利益を出す」ということを忘れがちだ。GEをはじめ、海外のユースケースはサービス化、ビジネス化まで行っている企業が出ている。日本も自分たちの強みをビジネスに変える、サービス化する視点を持たなければいけない。


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。