WEF、世界最先端9工場を発表。シーメンス、シュナイダー、フエニックス...

WEF、世界最先端9工場を発表。シーメンス、シュナイダー、フエニックスなど

日本企業・工場はゼロ

ダボス会議で知られる世界経済フォーラム(WEF)は、1000以上の製造現場を調査し、第4次産業革命をリードする世界で最も先進的な9工場「Lighthouses(灯台)」を決定した。

内訳はヨーロッパ5カ所、中国3カ所、アメリカ1カ所。

日本の工場と日本企業は選ばれなかった。

 

1つ目は、バイエル・ディビジョン・ファーマシューティカルズ社のイタリア・ガルバニャーテ工場。大量生産時にもデジタルツインでスケジューリングを最適化して品質をコントロールしている。

2つ目は、ボッシュ・オートモーティブの中国・無錫工場。高度なデータ分析でプロセス設定を解析して最適化し、機械停止が発生する前に予測して歩留まりを向上している。

3つ目は、ハイアールの中国・青島工場。カスタマイズのためのプラットフォームとAIを活用したクラウドプラットフォームでオーダーメイドのマスカスタマイズを実現している。

 

4つ目はジョンソン・エンド・ジョンソン デピューシンセスのアイルランド・コーク工場。IoTを活用して機械のダウンタイムと運用コストを削減している。

5つ目はフエニックス・コンタクトのドイツ・バート・ピルモント工場とブロンベルグ工場。顧客仕様ごとのデジタルコピーを作成し、生産時間を30%削減している。

6つ目がプロクター・アンド・ギャンブルのチェコ・ラコナ工場。WEBベースの分析モデルを使ってサプライチェーン全体をシミュレーションと俊敏性、応答性が向上し、在庫効率や顧客満足度が16%向上した。

 

7つ目がシュナイダーエレクトリックのフランスのル・ヴォードライユ工場。拡張現実などのデジタルツールでオペレーターが拠点全体にわたる操作、保守、エネルギー使用の可視性を得られるようにし、保守コストを30%削減。全体的な機器効率も7%向上。

8つ目がシーメンス・インダストリアル・オートメーションの中国・成都工場。顧客の注文を受けてすぐにスケジューリングして製造。100%の品質とトレーサビリティを実現している。

9つ目がファストラディウスとUPSのアメリカ・シカゴ工場。工業用3Dプリンタと独自のオペレーティング・システムで、リアルタイムでの設計・生産とグローバルのフルフィルメントサービスを提供している。

2019年のダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)でさらに追加される予定。

出典:WEF「Europe, Asia Lead the Way to the Factories of the Future」


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。