SIer協会 中小企業へロボ導入後押し、多品種少量こそロボットの出番

SIer協会 中小企業へロボ導入後押し、多品種少量こそロボットの出番

SIer協会(FA・ロボットシステムインテグレータ協会)は10月19日、中小企業のロボット導入促進に向けたWEBセミナー「中小企業におけるロボット事例紹介セミナー〜どのようにして2台目、3台目への導入につながったかユーザー企業に聞く〜」を開催した。

ロボット導入に関して、大企業と中小企業のケースは異なり、中小企業向けに適したやり方があるとして、そのポイントと実際の導入成功例を紹介した。

 

導入が会社を変えるきっかけに

産業用ロボットはこれまで、主に自動車や電気・電子機器製造業の大企業を中心に導入が進んできた。製造業をはじめ日本産業全体で人手不足が広がるなか、これからは中小企業でのロボット活用が広がることが期待されている。

しかしロボットは単体でなくシステムを組んでの導入となり、操作や活用にも習熟が必要とされる。かつ導入には大きなコストがかかり、なかなか思った通りに進んでいないのが実態だ。それを解決するのがロボットシステムインテグレータ(SI)の役割であり、セミナーでは中小企業への導入のコツにスポットを当てて実施した。

生産設備を導入する際、ほとんどの場合主眼は、生産効率の向上になるが、中小企業のロボット導入はそれとは異なり、投資効果については別視点で考えることが大事であると指摘した。

 

ポイントとして①ロボットは中小企業の少量多品種に適した生産装置である ②ロボットは導入したら退職はしない。人材不足の解決に良い ③ロボットの導入こそデジタル化のスタートである ④ロボットはツールである ⑤ロボットのための製造手順の変更を挙げた。

もともとロボットは多品種少量生産のために使われるものであり、導入すれば辞めることはなく、人手不足解消には効果的となる。IoT等を導入してデータを取得してデジタル化していこうという流れがあるが、いま人からデータを取る必要はなく、ロボットで作業をさせることによってデータが残るようになり、それが資産となってデジタル化を進めることができる。

今でこそ誰でもツールとして使いこなしているNCだが、最初は難しく敬遠されていた。ロボットも同じであり、ツールとして使いこなすことが大事。また手作業を置き換えるのではなく、ロボットに適した製造方式を考えることが重要だとし、ロボット導入は単純な効率だけで判断しない、させないことが重要で、ロボットが職場の雰囲気や感覚を変えることを評価すべきであるとした。

 

さらにロボット導入を成功させる勘所として、「初めての導入は必ず成功させることが最重要」と強調した。中小企業にとってロボット導入は大きな投資であり、大企業ほどの余裕はなく、第一に成果が求められる。ロボットSIもその認識を持って成功を必須条件として臨む必要があるとし、チャレンジングなことをする場合は2度目以降の方が望ましいとした。

また導入と活用の際には「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ」の精神が大事であり、ロボットSIが率先してロボットを動かして指導していくことが大事である。

ロボットを扱う人材についても、熟練の技術者ではなく、若い人材などに任せることが重要とした。彼らはロボットを動かすことに魅力を感じており、そうした事実が若い人に対するアピール力になる。またゲーム感覚でロボットを動かせるため操作に対する習熟も早く、熟練技術者とタッグを組ませて作業アドバイスをすることで、熟練技術者の技がデータとしてたまっていくメリットがあるとした。

この後、セミナーでは実際の導入事例を紹介し、ロボットは若手に任せている例や女性がロボットを活用している事例が発表され、座談会も行われた。

 

■FA・ロボットシステムインテグレータ協会


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。2016年5月〜「ものづくりニュース by aperza」編集長兼任。 趣味は釣りとダーツ