RFIDの種類

RFIDの種類

通信方式

RFIDの通信方式は、近接の電磁結合方式、近傍の電磁結合方式、遠隔の電波方式がある。

電磁結合方式(相互誘導方式)

電磁結合方式は、交流磁界によるコイルの相互誘導を利用して通信を行う方式で、550KHz以下の長波が利用される。

リーダライタとRFタグを近接に対向させたコア入コイルヘッド、または空芯コイルヘッドに高周波を印加させることによって生ずる相互誘導で通信するので、バッテリーが不要であり小型化が容易である。

人体、コンクリート、木材、プラスチック、ガラス、紙などの非導電体や水の影響を受けず、また、耐ノイズ性に優れているので、パレット、カセット、ワーク、ツール等の管理などFA分野で広く利用されている。

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電磁誘導方式(誘導電磁界方式)

電磁誘導方式は、コイルアンテナに印加した135KHz以下の長波帯、または13.56MHzの短波帯により、アンテナ近傍に発生する磁界を伝送媒体する方式である。

RFタグのアンテナに誘起される誘導起電力によって通信をするのでバッテリーを必要としない。

通信距離は、最大約1mである。人体、コンクリート、木材、プラスチック、ガラス、紙などの非導電体や水の影響を受けず、13.56MHz帯は、コイルの巻き数を少なくできるので薄型を実現しやすい。

 

カード型、コイン型、スティック型など様々な形状があり、個人カード、交通カード、商品タグ、物流タグなど幅広く利用されている。

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電波方式(放射電磁界方式)

電波方式は、構内無線局の無線設備の中で、移動体識別用として割り当てられた2.45GHz帯のマイクロ波を利用する方式である。

また、UHF帯の433MHz帯と953MHz帯(950〜956MHz)がある。

電波方式には、バッテリーを持たない受動型と持つ能動型がある。

 

マイクロ波帯は、電波の直進性、指向性が強いので数メートルの通信が可能であるが、金属による反射や回折、人体、水による吸収などの影響がある。

また、無線LAN、ブルートゥース、電子レンジ等との混信もあるため、導入前の検証が不可欠である。

UHF帯は、人体、コンクリート、木材、プラスチック、ガラス、紙などの非導電体や水の影響が少なく、また数メートルの通信が可能である。

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アクセス方式

RFタグへのアクセス方式は、リードオンリー型(read only)、ライトワンス型(write once / read many)、リードライト型(read / write)がある。

リードオンリー型は、工場出荷時に予めデータが固定化されていおり、読取専用になる。

この形式は、工場で付番しているので完全なユニーク性を保証することができる。

 

ライトワンス型は、データの書き込みを最初の一回に限定し、その後は読取専用になる。

この形式は、ユーザで自由に付番することができるので便利であるが、ユニーク性を保つように注意しなければならない。

リードライト型は、何度でも書き込みと読取ができ大変便利であるが、他の形式より高価である。

読取方式

質問式のRFタグでは、リーダライタからの信号を受信したら直ちにデータを送信するタグトークファースト型が一般的である。

タグファースト型では、同一エリアに複数タグが存在した場合、一度に応答されるため混信してしまうが、最近は輻湊制御(アンチコリジョン)により複数タグの読取ができるようになっている。

一方、リーダライタからの信号を受信してもデータを送信せず、送信コマンドを受信して初めてデータを送信するリーダトークファースト型もある。

 

リーダトークファースト型は、RFタグの通信を制御できるので、同一エリアにある複数タグの読取が容易である。

メモリー容量

存在検知型は、情報量が1ビットであり、RFタグの有無を検知するためのものである。

これは、EAS(Electronic Article Surveillance)電子式盗難防止機器と言われ、万引き防止に使用される。

情報識別型は、情報量が100バイト程度であり、IDを検知するためのものである。

 

これは、個人カード、交通カード、商品タグ、物流タグ等に使用される。

EAN.UCCが提案している電子商品コード(Electronic Products Code)はこれに属する。

分散データベース型は、情報量が数キロバイトから数百キロバイトと大きく、個人情報や製品情報を人や物と共に管理するためのものである。

 

これは、IDカード、免許証、生産指示、品質管理、EDI等に使用される。

通信距離

タグとリーダライタの通信距離に応じて密着型、近接型、近傍型、遠隔型がある。

密着型は、接触から数ミリまでの通信距離で、非接触ICカードとして利用されている。

近接型は、最大10cmくらいまでの通信距離で、個人認証、交通カード、製品識別等に利用されている。

 

近傍型は、最大70cmくらいまでの通信距離で、物流や製品識別等に利用されている。

遠隔型は、数メートルまでの通信距離で主に物流や製品識別に利用されている。

受動型のRFタグでは、書込の通信距離は、読取の通信距離の半分以下になることが多いので注意を要する。

タグ形状

カード型、箱型、円筒型、円盤型、スティック型、ラベル型がある。

カード型の標準サイズは、54×86×0.76mmであるが、厚さは0.25mmまで薄くした製品がある。

箱型は、ネジでパレットや機器に取り付け易くなるよう工夫されている。

 

円筒型、円盤型、スティック型は、埋め込み、貼り付け、紐掛けを想定している。

円筒型は、φ2.1×12mm程度まで小型化し、動物の皮下に注射できるタイプもある。

ラベル型は、ラベルの裏面にアンテナとタグを貼り付けたもので、バーコードプリンタでバーコード印刷しながらデータを書き込めるようになっている。

 

提供:アイニックス株式会社


アペルザニュース編集部です。日本の製造業、ものづくり産業の活性化を目指し、日々がんばっています。