NTT、4K映像対応の低電力リアルタイムAI推論LSIを開発―2025年度内に製品化へ
この記事の内容をまとめると…
- 4K映像のリアルタイムAI推論処理が可能なAI推論LSIを開発
- エッジ/端末でも低電力で高精度な推論を実現
- 2025年度内に製品化予定、各種ユースケースへの拡張も見据える
超高精細映像からのリアルタイムAI推論をエッジ/端末上でも実行可能にするAI推論LSIが開発された。解像度制約を4Kに拡張し、リアルタイムかつ低電力でのAI推論を実現することで、より広範囲・高精度な物体検出が可能となる。
AI推論LSI詳細
本AI推論LSIは、電力制約の厳しいエッジ/端末環境でも4K映像のリアルタイムAI推論処理を可能にする。従来のAI推論モデルでは、入力画像の解像度に制限があり、4Kカメラで撮影した映像でも縮小処理が必要であったため、小さな物体の検出が困難だった。
開発されたLSIは、4K映像を分割して推論を行うことで、小さな物体の検出を実現する一方、全体を縮小しての推論も併用し、結果を合成することで大小問わず検出可能とした。物体検出は独立して実行できるため、ハードウェアによる並列処理も可能である。
また、独自開発のAI推論エンジンにより、フレーム間相関を活用した演算効率化を図り、精度を保ちつつ低電力化を実現。例えばYOLOv3を用いた場合、従来と同等以下(20W以下)の消費電力で4K解像度・30fpsの物体検出が可能となる。
NTTイノベーティブデバイス株式会社では、2025年度内の製品化を予定しており、今後は対応モデルやユースケースの拡大に向けた開発も進められている。