JEMA 電気機器19年度見通し、重電分野 前年並み3兆5256億円

JEMA 電気機器19年度見通し、重電分野 前年並み3兆5256億円

不確実性高まるも需要底打ちか

日本電機工業会(JEMA、柵山正樹会長)は3月14日、電気機器における2019年度見通しを発表した。

原動機やモータ、電力変換装置、PLC・リレーなど重電分野の19年度の国内生産額は、米中貿易摩擦や英国のEU離脱など不確実性の高まりによる景気後退の逆風が見込まれるが、ほぼ前年並みの3兆5256億円(前年比1.4%減)となる見通し。需要減速も19年が底になるか注目が集まる。

 

18年度 回転機器は好調 全体では4.0%減

18年度の重電分野は、国内で20年東京オリンピック・パラリンピック関連の首都圏再開発がピークを迎える一方で中国経済と火力発電所向け案件の停滞したことを受け、4.0%減の3兆5752億円となる見込み。

主要機器分野では、回転機器は好調を維持し、全体では2.8%増の9686億8100万円。サーボモータは下期に中国経済の減速による影響があるものの、半導体及び液晶・有機ELの製造装置向けなど国内及びアジアでの設備投資の活況により、前年度を上回る見込みで、1.7%増の1216億6000万円。

交流電動機は1.9%増の3433億5800万円、70W未満の小型電動機は3.3%増の3294億4000万円を見込む。

 

電力変換装置はUPSとサーボアンプの大幅減が響いて10.6%減の4100億7900万円。汎用インバータは1.8%減の702億5500万円と前年並をキープ。

開閉制御装置は、全体では0.7%減の1兆4495億4300万円。うち低圧開閉器・制御機器はアジアの設備投資の減速が響き、5082億500万円(0.4%減)。PLCに限ると、14.3%減と大幅減少となる1145億4600万円と見込んでいる。

▼重電機器の生産額推移
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19年度 国内を中心にPLCは回復へ

19年度の見通しは、国内は堅調を維持し、ほぼ前年度並みの3兆5256億円(前年度比1.4%減)。開閉制御装置以外は前年度を下回り、特に発電用原動機が17.1%と大幅減となる見通し。

主要機器分野では、回転機器は前年度並みの0.2%減の9664億4600万円。サーボモータは2.9%減の1180億7700万円。交流電動機は3.9%増の3566億1100万円、70W未満の小型電動機は0.7%減の3270億円を見込む。

電力変換装置は0.4%減の4083億7300万円。うち汎用インバータは4.6%減の670億5500万円。

 

開閉制御装置は、全体では2.1%増の1兆4802億4700万円。うち低圧開閉器・制御機器は5097億7600万円(0.3%増)。PLCは、中国を中心とするアジアでの設備投資減速の影響は残るものの、国内を中心に回復し、3.9%増の1190億円と見込んでいる。

出典:日本電機工業会「2019年度 電気機器の見通し」


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。