IoTを活用し、高い生産性でサービスを提供する
貴社製品に関連したサービスを考えたことありますか?
1.製品販売+サービスの身近な例は意外と多い
今や「モノ」の販売のみでは、製造業の持続的な成長は困難です。
顧客へ届ける「コト」に注目した新たな付加価値を生み出す事業形態が望まれます。
製造業で従来から扱っていた有形の「モノ」に、無形の「コト」を加えるイメージです。
そして顧客へ届ける「コト」とは、「サービス」とも言い換えられます。
モノを販売しても、それで顧客との関係を終わりにしない。
その後も顧客との関係性を継続、強化する。
そして、安定的に収益を上げることを目指す。
「コト」を加えると、例えば、このような仕事のやり方になるでしょう。
コピー機とトナー交換サービス、自動車と整備サービス、工作機械とメンテナンスサービス、等々。
製造業において、製品販売+サービスの身近な例は意外と多いことに気が付きます。
ですから「コト」に注目して新たな付加価値を生み出す事業形態という考え方は特別ではありません。
2.IoTでサービスの生産性を向上させる
今後、より一層、モノとコトがつながりやすくなるとの指摘があります。
コトが次々とビジネスの対象となってくるのです。
情報通信技術を生かしたIoT(もののインターネント)という道具の普及が背景にあります。
法政大学教授の西岡靖之氏は次のように語っています。
これまで価値があったにもかかわらず
経済的な取引が可能でなかった「コト」が
次々に、ビジネスモデルの対象として躍り出てくるだろう。
革命的な流れになるのは間違いない。
(出典:日本経済新聞2015年7月10日)
GE(General Electric社)では、
航空エンジンや発電用タービンを対象にした
さまざまな産業機器のIoT化で、
効率向上やコスト削減の付加価値提供が可能となりました。
こうした大がかりな「コト」の提供が実現している背景に、IoTの普及が上げられます。
一般的に低いと言われているサービスの生産性が、IoTで高まっているのです。
政府の法人企業統計によると、
2014年の労働生産性は
製造業の818万円に対して、
非製造業(金融・保険を除く)は671万円。
政府が日米の産業別生産性を比較したところ、
米国を1とすると、日本は
一般機器(1.21)、
輸送用機器(0.96)に対し、
運輸・倉庫(0.53)、
飲食・宿泊(0.28)など、
サービス業は製造業より低い傾向にあります。
(出典:毎日新聞2016年3月4日)
サービス業の生産性が、製造業よりも低いのは、サービスという「コト」の特性に起因しているのです。
1)サービスを提供する人と受ける人は原則、同じ時に、同じ場所にいる必要がある。
2)サービスは大量生産して在庫しておくことができない。
サービスを提供するには手間がかかります。
そこで、IoTを生かし、2つの制約条件を取り除くのです。
つまり、サービス提供の生産性を向上させることが可能となります。
先のの事例では、例えば、
ある発電所へ納入したタービンの稼働状況を
調査して分析するために、
わざわざ現地へ、担当者を送り込む必要がないということです。
そうでなければ、
複数の担当者が現地へ出向き、長期間滞在しながら計測・分析作業を行わないとなりません。
精度の高い調査・分析を目指すと、かなりのコスト、工数が見込まれます。
IoTで、コストや工数の制約を除去できるのです。
3.製造業の労働生産性をますます向上させる
製造業ではモノの販売にとどまらず、
その後のサービスを充実させて顧客へコトを届ければ、顧客満足が高まります。
付加価値を拡大させる観点で、
「製品販売+サービス」の事業形態は、今後、目指すモデルでしょう。
ただし、サービス提供の生産性は、一般的に低くなる傾向にあることに留意しなければなりません。
サービス提供は、どうしても属人的な要素を含みやすいです。
IoTは、そこの効率を上げてくれます。
「製品販売+サービス」の事業形態で顧客を囲い込み、安定的な収益確保を目指すのです。
独自性のある自社製品に独自性のあるサービスを組み合わせれば、模倣困難性も高まります。
こうした発想で、
多くの中小製造企業が事業展開をすれば、
付加価値向上とともに労働生産性が向上することでしょう。
GDP600兆円へも寄与します。
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