IoTの展開に不可欠な特性を追加する、インテリジェント動画ストリーミング機能セット
業界分析企業のABI Researchは、ネットワーク接続型画像処理機器の市場が、現時点から2020年までの間に金額ベースで大きく成長し、この期間における年平均成長率(CAGR)は17%になると予測しています。
この成長の推進力として、モノのインターネット(IoT)が注目されています。
IoTベースの画像処理技術の優位性を実証できる様々な分野が存在します。
ビル・アクセス・システム、監視機器、スマート照明システム、ベビー・モニタ、スマート・デバイス、リモート・メンテナンスなどがその例です。
動画の画像処理要素をIoTシステムに組み込む際に、技術者が認識しておく必要がある基本的条件を以下に列挙します。
- まず容易であることが重要です。動画サブシステムは、 (画像処理技術の経験が乏しい技術者であっても) 簡単に導入できることが求められます。
- IoTアプリケーションの多くがバッテリ電源動作を必要とするため、消費電力を抑えることがもう1つの優先事項です。
- キャプチャした動画データを、適切な通信規格に基づいて伝送できる能力も非常に重要です。ほとんどの場合、これは(容易に導入できる可能性が高いので)ワイヤレスで実現されます。
- 乳児が目覚めたときや、誰かが家の外に出たときなど、適切な時点で動画のストリーミングまたは静止画像のキャプチャを開始するために、ある程度インテリジェントな動作を可能にする機能を採用することも必要です。
- 効果的に動画データにアクセスできるよう、適切なクラウド・プラットフォームを利用する必要があります(Amazon Web ServicesやGoogle Cloud Platformが最も一般的なオプションとなるでしょう)。
オン・セミコンダクターは、将来の低消費電力IoT動画ストリーミング・アプリケーションに要求される特性を十分認識しており、それを踏まえて非常に効率的なビデオ開発キット(Video Development Kit – VDK) – MatrixCam™ を発表しました。
この極めて柔軟性が高いオープンソース画像処理プラットフォームは、解像度1080p (1928×1088)のアクティブ・ピクセル・アレイを内蔵するオン・セミコンダクターのAR023Z 1/3インチ形式CMOSイメージ・センサを採用しており、OEMの製品開発サイクルを大幅に短縮して、市場投入までの時間を早めることができます。
この実用的なIoTカメラ・ソリューションは、携帯電子機器(スマートフォンやタブレットPCなど)を使用して制御することも可能です。
また、Wi-Fi (802.11b/g/n)、イーサネット(10/100Mbps)、Bluetooth Low Energy (BLE)、Micro USB (電力供給、デバッグ、ファームウェア・アップグレードの目的) などの広範なインタフェース・テクノロジをサポートしています。
MatrixCam VDKは、ビデオ・オン・デマンド(VoD)や30fpsのライブ・ストリーミングをサポートしており、Google Cloud PlatformやAmazon Web Servicesなどのクラウド・サービスに接続して動画再生を行うことができます。
インテリジェント・ストリーミング機能は、システム・ウェイクアップ・メカニズムに由来します。
この機能は、BLEまたは内蔵のパッシブ赤外線(PIR)センサを使用してトリガし、動きを判別できます(140°の検出角度と10~15フィートの検出範囲に対応)。
ウェイクアップ時に、割り当てられた携帯電子機器宛にプッシュ通知が送信され、ユーザにライブの動画ストリームまたは静止画像のコンテンツを検査する必要があることを通知します。
MatrixCam VDKユニットは、動画データ保存用の8GB microSDカードで提供されます。
このハードウェア部分はソフトウェア・サポートによって補完されます。
ダウンロードできるソフトウェア設計用資料が用意されています(オン・セミコンダクターのkey technology partnersより)。直感的なWebベースのグラフィカル・ユーザ・インタフェース、または専用のモバイル・アプリケーションを通じて、VDKを設定することができます。
詳細については、www.onsemi.jp/matrixcamをご覧ください。
※出典:『IoTの展開に不可欠な特性を追加する、インテリジェント動画ストリーミング機能セット』オン・セミコンダクター