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HMS調べ 産業用ネットワーク市場シェア動向2020年版、イーサネット拡大

フィールドバスは減少傾向

産業用通信やIIoT向けソリューションのHMSインダストリアルネットワークは、毎年発表している「産業用ネットワーク市場シェア動向」の2020年版を公表した。

19年は産業用Ethernetとワイヤレスが増加し、フィールドバスの新規設置が減少となったが、20年はさらにそれが進行し、産業用Ethernetへのシフトが加速している。

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20年の産業用ネットワークの新規設置ノードにおける市場シェアは、産業用Ethernetが59%から65%へと拡大する一方、フィールドバスは35%から30%と5ポイント低下した。ワイヤレスは6%を維持。ネットワーク別シェアでは、EtherNet/IPとPROFINETでそれぞれ17%でトップ。PROFIBUSが8%、EtherCATが7%で続いている。

 

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産業用Ethernetは、18年の同調査で初めてフィールドバスを上回ってからも勢いはとどまらず、いまや産業ネットワークの主力技術となっている。20年の市場シェアは65%まで拡大。トップはEtherNet/IPとPROFINETが17%で並び、第3位にEtherCATが7%で続き、以下はModbusTCPが5%、POWERLINKが4%、CC-Link IE Fieldが2%となっている。

フィールドバスは新規設置ノードの30%にとどまり、シェアトップは8%でPROFIBUSのままだが、初めて全ネットワークでのシェア10%を切ることとなった。続くのがModbusRTUの5%、CC-Linkが4%となっている。

HMSインダストリアルネットワークスのアンダース・ハンソン氏は「フィールドバスではPROFIBUSが最大シェアを占めることに変わりないが、フィールドバスの総体的な減少が続くのに伴い、市場シェアを失っている。興味深い点は、ModbusがフィールドバスのModbusRTUとEthernetベースのModbus-TCPのいずれについても健闘を続けている。新しい設備においても、工場で従来から長く使っているという理由により、問題なく動作する技術は利用され続けていることを示している」としている。

 

ワイヤレスは維持 今後は拡大の予想

ワイヤレスは6%をキープしており、特にWLANがもっとも普及し、Bluetoothが続いている。

ハンソン氏は「市場の成長は決して低調ではないにもかかわらず、ワイヤレスが市場シェアを維持しており、このワイヤレスのシェアが長期的に拡大するものと考えている。ワイヤレスのプライベートLTE/5Gネットワークなどモバイル技術について、次世代スマートマニュファクチャリングのイネーブラーとしてあらゆる取り組みが世界的に行われている。少ない配線で柔軟に将来の自動化アーキテクチャーに組み込むことができるワイヤレス接続機器や機械に対する市場の需要は拡大するだろう」と予測している。

 

地域別シェア

欧州や中東ではEtherNet/IPとPROFINETがリードし、これにPROFIBUSとEtherCATが続く。Modbus(RTU/TCP)とEthernetPOWERLINKも使われている。米国市場ではEtherNet/IPが優勢だが、EtherCATが一定の市場シェアを獲得している。

一方、細分化したアジア市場はPROFINETとEtherNet/IPがリードし、これをPROFIBUS、EtherCAT、Modbus(RTU/TCP)、CC-Link/CC-LinkIEFieldが追っている。

 

出典:HMSインダストリアルネットワーク「産業用ネットワーク市場シェア動向 2020(HMS Networks 統計)」


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。