FA・ロボットシステムインテグレータ協会発足 123社、協力企業21社...

FA・ロボットシステムインテグレータ協会発足 123社、協力企業21社が参加

ロボットシステムインテグレータの業界団体となる「FA・ロボットシステムインテグレータ協会」は7月13日、東京都港区の機械振興会館で設立総会を開催した。スタート時点の会員はSI会員123社、協力会員が21社。初代会長には久保田和雄三明機工代表取締役社長が、副会長には渡辺亙バイナス代表取締役社長が就任した。

全国の企業を統括し経営環境改善目指す

同協会は、ロボット需要の高まりと同時に深刻化しているロボットSI(システムインテグレータ)の不足に対し、全国でバラバラに活動していたロボットSIを統括し、事業環境の向上や能力強化など、ロボット業界が抱える課題を解決していくことを目的として発足した。2017年11月に経済産業省ロボット政策室と日本ロボット工業会の呼びかけにより、設立準備総会が開催され、それから8回の会合を重ね、内外の調整を進めて今回の発足にこぎつけた。

久保田会長は「発足時100社を目標にしたいと言っていたが、それを上回る123社のSI、21社の協力会員が参加してくれた。少子高齢化の中で自動化やロボット化は喫緊の課題。食品やサービス業などこれまでロボットに縁のなかったところでも関心は高く、中小企業へのロボット導入は不可欠だ。

日本のSIが一致団結して国家的に課題に立ち向かう必要がある。共創、協調してロボ業界を盛り上げ、利害を超えて日本のSI能力を高めていきたい」と話した。

注力する3事業

主に3つの事業に注力する。①「SIを中心としたFA・ロボット業界ネットワークの構築」では、全国で独自に活動していたロボットSIに横のつながりをつくり、共同と協調によって受注機会の拡大やユーザーの要望に応じた最適なSIを紹介できるネットワークづくりを作っていく。②「SIの事業基盤の強化」では、業界標準の制定や人材確保支援などに注力し、③「システムインテグレーションに対する専門性の高度化」は、技術・安全講習を通した人材育成や教材開発等を行っていくとしている。

7つの分科会で業界課題を検討

組織としては総会・幹事会を頂点とし、その下に業務部会(部会長:三明機工)と技術部会(部会長:バイナス)、地域政策研究会(主査:VRテクノセンター)があり、さらに7つの分科会で構成される。

企画・運営分科会(主査:三明機工)は、会員間のネットワーク構築や中長期ビジョンの作成、SIのスキル認定制度を行い、広報分科会(主査:HCI)は会員間の情報共有、ロボットSI認知度の向上、採用活動の支援を予定している。

経営基盤強化分科会(主査:松栄テクノサービス)ではプロセス標準の作成、安全活動、統計調査を進め、地域連携分科会(主査:ヒロテック)は地域支部の設立と運営の検討、技術調査・標準化分科会(主査:豊電子)では、スキル標準、技術動向調査、技術標準化の検討を行っていく。

人材育成分科会(主査:バイナス)では、アドバイザー育成資格、エンジニアリング育成資格の検討や講習会、高専や工業高校との連携を担い、IoT・AI分科会(主査:リンクウィズ)はAIやIoTの勉強会実施(年4回)などを進めていく。

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▲久保田和雄会長

参考:FA・ロボットシステムインテグレータ協会


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。