FA・ロボットシステムインテグレータ協会、発足初年度 一定の成果

FA・ロボットシステムインテグレータ協会、発足初年度 一定の成果

会員数207社まで拡大

日本のロボット産業の未来を占う挑戦の第一歩目は成功した。ロボットを組み込んだ生産設備を構築・導入を担うロボットシステムインテグレータの業界団体であるFA・ロボットシステムインテグレータ協会(久保田和雄会長)の初年度が終了した。

会員数は4月19日時点で207社まで拡大し、一定の成果を挙げた。2年目の事業計画は、独自統計の実施やロボットSI資格検討、各種イベントの実施など内容盛りだくさん。真価が問われる年となる。

 

ロボットSIのアピールに注力

FA・ロボットシステムインテグレータ協会は19日、通常総会を実施し、2018年度の事業報告と、19年度の事業計画を発表した。

同会は18年7月13日にSI会員123社、協力会社21社の合計144社でスタート。「ネットワークの構築」「事業基盤の強化」「専門性の高度化」を方針として掲げて活動を展開。JapanRobotWeekなど展示会への出展、全国各地でのSIer’sDayの開催などで認知度向上につとめ、高校生・高専生向けのロボットアイデアコンテスト、大学生向けの技術展示会への出展、ロボットSI基礎講座などで人材採用から育成、教育に向けた取り組みを行った。

結果として現段階で207社まで会員数が増加し、当初の目標であった認知度向上などの目的を達成した。

また安心して業務を行うためのSIer保険、会員同士の交流や情報発信を目的とした会報誌「JARSIA」の発行なども行った。

 

19年度は6事業に注力

19年度は、SIとその仕事の認知度向上、業界内外のネットワーク構築に加え、SIの事業基盤の強化、専門性の高度化や人材育成、地域連携などに活動の範囲を広げていく。具体的に6つの取り組みを進めていく。

1つ目は「SI統計の実施」。毎月一度、会員各社のアンケート調査で行う。調査項目は、ロボットシステムの受注高・出荷高、輸出高・海外生産高の合計に加え、システム1式(1契約)ごとの出荷高、ロボットの使用台数、種別、エンドユーザーの業種や用途、規模について、毎月会員各社へのアンケート調査で行う。5月からスタートする。

2つ目は「SIの検定精度」。技能検定など関連資格の検討化を進める。

3つ目が、高校生と高専生を対象とした「ロボットアイデアコンテスト」の実施。18年度に関東で行い好評だったことを受け、19年度は規模を拡大。各地で地方予選を行い、12月の全国大会決勝を国際ロボット展で行う予定。

 

4つ目が展示会への出展。6月5日からのスマートファクトリーJapan2019(東京)を皮切りに、6月6日の大阪産業用ロボット開発技術展(大阪)、6月19日からの西日本製造技術イノベーション(福岡)、10月16日からのものづくりフェア2019(福岡)、12月18日からの国際ロボット展に同会ブースとして出展する。

5つ目は「学生向け展示会の実施」。2月に千葉工業大学の学内技術展示会に出展したところ、学生からの反応は上々。若者への認知と採用に向けた場として有効であることから、19年度は大阪工業大学で行う予定。

6つ目が、実態調査と海外ロボット関連団体との交流を目的とした「タイSI企業視察の実施」。日本より一足早くSI協会を発足させ、盛り上がっているといううわさがあるタイの状況を視察するという。日程は6月17日から22日を予定している。

 

協業システムの運用も開始

また18年度に整備した会員間のネットワークシステムの運用を19年度から開始する。システムでは会員各社の概要や技術者数、得意領域などを検索でき、協業の際の適切な企業検索に使えるとしている。

さらに今年は、ロボットセンターの検索、ユーザーからの相談受け付け、事例投稿と表示などを整備していくとしている。

参考:FA・ロボットシステムインテグレータ協会


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。