3Dデータを活用する

3Dデータを活用する

デジタル化やデジタルトランスフォーメーション(DX)が知識として定着してきたと思ったら、今度はより具体的な話として「3Dデータ活用の必要性」が言われ出した。

なぜ3Dデータ活用なのかを考える。

 

人類と技術発展の歴史はコミュニケーション、情報のやりとりの進化の歴史とも言える。必要な情報をより多く、早く伝えることで、物事が早く質よく行うことができるようになる。

人類のコミュニケーションは、ジェスチャーにはじまり、言葉、文字、絵、動画と高度化してきた。その伝達媒体も、人の体から手紙、電話、インターネットへと進化し、コミュニケーション可能な範囲は、人の五感で見聞きできる範囲から遠く離れた村や街、今では海を越えて宇宙ステーションとも交信できるまでに広がった。

5Gなど新しい通信技術に注目が集まっているが、次の時代のコミュニケーションの進化が「3D化」だ。3Dは仮想ではあるがモノを忠実に表現し、感覚に訴えかけることができる。コミュニケーションの手段を大きく変えている。これまでの機器や通信能力は3Dデータを扱うには不足していた。いまそれが可能になっている。

 

次世代のコミュニケーションは、時と場所の制約を超え、人がリアルで対面しているのとまったく同じ状態でコミュニケーションできることが最低ライン。そこにデジタル技術が加わり、リアルよりも円滑で質の高いプラスアルファのコミュニケーションが理想形だ。そのためには2Dから3Dのコミュニケーションへと変わる必要がある。デジタル化や3Dデータ活用の必要性が叫ばれているが、いつその波に乗るかは自分たちの判断次第。

波に乗るのが早ければ、活用法の習熟が早く、先行者メリットも得やすい。波を待てば、それらは得られないが、当面のコストはかからない。余談だが、3Dデータを作れる3DCADの活用は欧米や中国が先行している。


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。