相模原市 SIer育成・使いこなしを議論、産業用ロボット導入フォーラム
相模原市とさがみはら産業創造センターは8月1日、サン・エールさがみはらで「産業用ロボットビジネスフォーラム with SIer’s day inさがみはら ~ロボット×マッチング×さがみはら~」を開催。100人超が参加し、現場へのロボット導入について意見を交わした。
はじめに相模原市シニアアドバイザーの佐藤知正東京大学名誉教授があいさつし、相模原市の産業用ロボットの取り組みを紹介。
相模原市は軍都計画にもとづいて戦前から製造業が集積し、これまで内陸の工業都市として発展してきた。しかし事業環境の変化と人手不足の兆候から、14年から市内企業の産業用ロボットの導入と使いこなしの支援を積極的に実施。17年からはSIer育成講座も開設している。今後は使いこなし技術を高めて国内市場を深堀りするとともに、ロボット化された日本式ものづくりをASEANなど世界に向けて横展開していきたいとした。
そのほか講演では、ヒロテック生産技術研究所国枝潤氏による「企業連携による24時間365日無人稼働工場への挑戦~ひろしま生産技術の会~を事例に~」、JET遠藤法男代表取締役による「SIerの事例にみるロボットシステム導入のポイント~自動化の相談・依頼から導入まで~」、さがみはらロボット導入支援センター佐々木健雄コーディネータによる「自動化・ロボット導入のパートナーをマッチングする相模原市の取り組み」が行われた。地域の企業間連携による取り組みや、ロボットシステムを受注した際に気をつけるポイントなどが解説された。
会の締めくくりとしてFA・ロボットシステムインテグレータ協会の久保田和雄会長があいさつし「相模原市の取り組みは地域を挙げてロボット特区になるという意気込みが感じられる素晴らしい取り組みだ。テーマも明確で、隠れSIerやスーパーSIerの発掘など大きな目標が定まっている。日本も昔はインフラやバリューチェーンの輸出があった。これから日本のものづくりは世界の標準化を進め、システムやアイデアを輸出品とする。この佐藤先生の構想に私たちも賛同している。6月にはタイのSIer事情を視察してきた。タイは日本の人材育成と技術の移転を望んでいる。日本からロボットシステムをタイに輸出する流れを作っていきたい」とした。