日本ロボット工業会、ロボット導入とSIer育成事業の成果報告会を実施
日本ロボット工業会は、経済産業省のロボット導入実証事業とシステムインテグレータ育成事業の成果報告会を都内で開催した。
作業現場にロボットを導入した企業やロボットシステム構築(SIer)企業、技術商社など10社が、経済産業省による支援の活用事例を紹介した。
焼き鳥や唐揚げなどの惣菜を製造するコスモジャパンは、串刺し機への原料投入工程にスカラ型ロボットを導入した「焼鳥整列ロボットシステム」の導入のきっかけや成果を発表。
伝統工芸品・熊野筆を生産する北斗園は、計量から接着、バリ取りに至るまでの各工程をロボット化。人手作業時は6人体制だったのが従事者1人(2人交代制)で済むようになり、生産量は最大6.7倍になった成果を報告した。
FAプロダクツは、「とちぎロボットフォーラム」と連携して5月に栃木県に開設する「スマートファクトリーコンダクターラボ」を紹介。同ラボは、IoTシステムやロボットシステムをリアルに体験・実験できる「スマートファクトリーの総合展示場」をコンセプトとし、最新のロボット設備を10セット以上展示する予定という。
ANAエアポートサービスは、人手で行っていたベルトコンベアからの手荷物降ろし・コンテナ搭載作業の工程へのロボット導入の経緯や成果を紹介した。
▲ANAエアポートサービスのロボット導入実証事例
SIer企業のAUCは、バイオテクノロジー分野における基本動作「分取・分注」「容器の蓋開閉やハンドリング」「遠心分離」を自動化した汎用性の高いロボットシステムの構築を発表。
FA制御機器の総合制御技術商社である三光電業は、ロボットや周辺機器など単体の従来の提案ではなく、SI能力の取得によって可能となったシステム全体の提案をする「中小企業向け知能化ソリューション提案事業」を紹介した。
油圧機械装置のコア製品を製造する稲坂油圧機器とSIer企業の安達は、協働ロボットとAI技術を導入し、外観検査の自動化を実現した経緯や成果を発表。
機械化技術商社の五誠機械産業は、経済産業省「ロボット導入促進のためのシステムインテグレーター育成事業」の認定事業所として、「九州ロボットセンター及びSI研修センター」を開設した事例を紹介した。
SIer企業のオフィスエフエイ・コムは、設備やロボットのメーカーを問わず接続・通信が可能なインターフェース「ORiN」を活用した、IoTロボットシステム導入パッケージの開発事例を発表。
日本料理店を運営するがんこフードサービスは、料理の搬送にAGVを導入した経緯や成果を紹介した。
▲がんこフードサービスの搬送ロボット導入事例