IoTを追い風に日の丸半導体産業の復活を

IoTを追い風に日の丸半導体産業の復活を

半導体市場調査企業であるIC Insightsによると、半導体企業の最大手はアメリカのインテル。次いで韓国のサムスン。3位は台湾のTSMCと続く。アメリカ、韓国、台湾は半導体産業を国として強くバックアップし、中国も中国製造2025で半導体産業に力を入れることを表明している。世界は半導体を重要産業と位置づけている。

▼日本でもかつては半導体を「産業の米」と呼び、日本の半導体メーカーも世界を席巻し、国内外から注目された。しかし今は一部を除けば、見る影もない。IoTによって今後センサをはじめ、半導体の需要増が見込まれている。今そこに世界各国が注力するなか、日本の半導体が沈んでしまったことが、今更ながら悔やまれてならない。

▼しかし光明もある。IoT時代の半導体は、「産業の米」以上の重要性を持つ「社会の米」になる。日本は半導体の素材と製造装置では世界でもトップクラスに位置し、優れた技術を持ち、高いシェアを持つ優良企業が数多くある。半導体メーカーでも東芝やソニーなど存在感を発揮している企業も存在している。日本の半導体は終わった産業ではない。いまは逆にチャンスが訪れている。


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。