IoT、インダストリー4.0は流行り言葉、バズワードではない!

IoT、インダストリー4.0は流行り言葉、バズワードではない!

「バズワード」という言葉をご存じだろうか? 昨年、製造業ではIoTやインダストリー4・0が話題をさらったが、一部ではこれらは一過性のはやり言葉に過ぎないという否定的な意見も多かった。その時に使われていたのがこの「バズワード」である。

▼IT用語辞典e―Wordsによると、バズワードとは「何か新しい重要な概念を表しているようだが、その実、明確な定義や範囲が定まっておらず、人によって思い浮かべる内容がバラバラであったり、あるいは宣伝文句的に都合よく引用されるような新語や造語、フレーズのこと」とされている。もともとIT関連業界で使われる言葉で、過去のバズワードには「ユビキタス」や「WEB2・0」などがある。確かにIoTやインダストリー4・0とはどんなものなのか、何を意味しているのか分からないという人が多いのは事実だ。また、定義が曖昧で、言葉だけが独り歩きしている。少々心外な気もしないでもないが、バズワードと言われても仕方がないことはまったくその通りである。

▼先のIT用語辞典e―Wordsではバズワードについて「〝buzz〞は(蜂などが)ブンブンうなる、(群衆などが)ガヤガヤいう、ざわめき、騒音、などの意味で、はっきり聞き取れない、耳障りだ、といった含意がある」とも紹介している。昨年はIoTやインダストリー4・0の種が蒔かれ、言葉が広がった。今年は芽を出し、若葉を育てなければいけない重要な年だ。IoTやインダストリー4・0という言葉をしっかり定義して具体化し、製造業に関わるビジネスにおいて重要なキーワードでありアドバイス、ヒントとして確実に定着する状況を作り出していこう。


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。