【2018年7月第1週工場新設・増設】カネカ、SUSなど
【日本国内】
▶カネカ
滋賀工場(大津市)に超耐熱ポリイミドフィルムの生産設備を、グループ会社の栃木カネカ(真岡市)に超高熱伝導グラファイトシートの生産設備をそれぞれ増設する。
超耐熱ポリイミドフィルムは、主用途であるフレキシブルプリント回路基板向けの需要が携帯端末の高機能化により拡大していることに加え、通信・車載・医療・工業用向けにも市場が広がっている。また、超高熱伝導グラファイトシートは熱対策材料向けの需要が急拡大しており、今後はその原材料である超耐熱ポリイミドフィルムの供給不足も懸念される。
今回の投資により、超耐熱ポリイミドフィルムの年間生産能力を日本、米国、マレーシア合計で約3割引き上げ、かつ超高熱伝導グラファイトシートの年間生産能力を約3倍と大幅に増強する。投資額は合わせて約110億円。いずれも19年春の稼働を予定。
▶SUS
熊本県菊池郡の原水工業団地に東京エレクトロン九州向けの専用工場「熊本事業所」を新設し、本格稼働を開始した。
同社は大手企業や産業集積地の近隣にその産業特性に合わせた事業所を設置することで、物流の効率向上やサポートの充実を図る戦略を掲げている。同工場では半導体製造装置に用いられるアルミフレームの加工・組立を担当。東京エレクトロン九州の本社から直線距離で約1.1キロという立地を生かし製品やサポートを提供するとともに、今まで以上にサービスの高品質化を図る。
また、同事業所を中心に、半導体業界特有の事業環境に合わせた製品・サービスを磨き、広く業界各社に提供していくことで、活況が続く半導体業界の一助となることを目指す。
敷地面積は2万3424平方メートル、建築面積は6605平方メートル、延床面積は6668平方メートル、総投資額は16億円。
▶浜松ホトニクス
光半導体モジュール製品の売上拡大に対応するため、本社工場(浜松市東区)に新たに14棟を建設する。
建築面積は2441平方メートル、延床面積は9857平方メートル(鉄骨造地上4階、地下1階)、総工費は約28億円、生産能力は約100億円(売上高換算)、収容人員は約240人。稼働開始は19年10月の予定。
【海外】
▶DOWA
子会社のDOWAメタルテックは、中国江蘇省に新工場を建設し、中国での伸銅品すずめっき加工事業を拡大する。
中国では車載向け電子機器のコネクタなどへのすずめっき加工需要が急速に拡大。同社は02年から上海市松江区にて同事業を行っており、現在、最大生産能力に近い操業が続いている。
今後は輸出向けに加え、中国国内向けにより大きな需要が期待できることから、中国での第二拠点となる新会社を設立。中国初の低挿入力すずめっきが可能なラインと切断加工用のスリッターを設置して新規需要を取り込み、事業拡大を図る。操業開始は19年10月の予定。