2017年は第4次産業革命、スマートファクトリーへの正念場

2017年は第4次産業革命、スマートファクトリーへの正念場

 いまの製造業は、第4次産業革命なしに語れない。2014年ころから話題に上るようになり、15年にロボット革命イニシアティブ協議会等が設立された。第4次産業革命のムーブメントが本物と気づき、各方面で動き出した。しかし当時は危機感を感じ、動いていたところは限られていた。「データを取る? 見える化? そんなことはもう何年も前からやっている」鼻で笑っていた人も少なくなかった。

 16年はそれが大きく変化した。日本とドイツ、アメリカがお互いに協力していくことに合意した。産業用ネットワークでもPROFINETとCC−Link IEの相互接続も発表された。企業レベルでも競合企業間の協業や大規模なM&A案件が相次いだ。IoTプラットフォームという言葉も聞かれるようになり、GEのPredix、マイクロソフトのMicrosoft Azure、ファナックのFIELDシステムなどが注目を集めた。また、AIや機械学習も語られるようになった。中小企業がIoTに取り組み始めたという嬉しい話も聞こえてきている。

 16年の年初、私は「第4次産業革命が本格化」とオートメーション新聞紙面で書いた。少々言い過ぎたかもしれないと反省しているが、第4次産業革命、インダストリー4.0、IoTといった言葉が定着し、着実に動き出したと実感している。2017年になってたった1カ月しか経っていないが、すでに昨年とは人の意識が大きく変わっていると感じている。どんな年になるのか、楽しさ半分怖さ半分だ。


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。