警告書が来たらどうする!(5)

警告書が来たらどうする!(5)

5. 回答書(応答)を書く時の注意事項は?

前回の説明では、1回目の回答書(応答)について触れましたが、今回も引き続き、1回目の回答書(応答)の書き方について、具体的な注意点を説明しておきたいと思います。

指摘する男性

多くの警告書には回答期限が記載されます。

これは送り主が一方的に取り決めたものですので、そもそも受け取った側が応じる義務はありません。

しかし、「〇月〇日までにご回答をいただけない場合は、……法的手段に訴える場合があります。」などというメッセージがある場合には、「期限までに何の回答もなければ、誠意ある対応を取る意思はないものと見なすよ」という意味合いになります。

つまり、送り主側にしてみれば、「警告書を受け取った側が法的手段に訴えることを積極的ではないにせよ同意したことと見なして、強硬手段を取る」という口実を得る手段となるわけです。

そのため、警告書を受け取った場合には、何らかの回答を指定された期限までにするのが、相手側(権利者側)に対する誠意を示す意味でも好ましい対応となります。

例えば、まずは「回答の検討中である旨」と、「〇月〇日までに回答するので、今しばらく検討にお時間を頂戴したい」ことを伝え、時間稼ぎをするという対応が有効です。

回答期限の不当な引き伸ばし(例えば半年や1年など)は、相手側に誠意のない対応と受け取られがちではありますが、数週間~2ヶ月などの期間であれば、多くの場合は待ってくれると思います。

また、2回目以降の交渉では、前回説明した B~D に対する求めにも応じていく必要があるため、調査や対策の検討のためにも時間は必要です。

 

まずは検討のための時間を確保するためにも、1回目の回答書(応答)を利用して、次回の回答までの検討猶予を確保しましょう。

出典:『警告書が来たらどうする!(5)』(発明plus〔旧:開発NEXT〕)


弁理士。コスモス国際特許商標事務所パートナー。名古屋工業大学非常勤講師。1980年愛知県生まれ。名古屋工業大学大学院修了。知的財産権の取得業務だけでなく知的財産権を活用した製品作りの商品開発コンサルタントを行う。知財マッチングを展開し、ものづくり企業の地方創世の救世主として活躍している。著書に『社長、その商品名、危なすぎます!』(日本経済新聞出版社)、『理系のための特許法』(中央経済社)等がある。 特許・商標の活用を応援するWEBマガジン「発明plus Web」( https://hatsumei-plus.jp/ )を運営している。