設計・製造・調達間でBOM連携を実現し、 一気通貫体制で企業競争力の強...

設計・製造・調達間でBOM連携を実現し、 一気通貫体制で企業競争力の強化を図る

自動車用部品メーカーB社様
部署:製品開発部、生産管理部 年商:300億円

背景

自動車部品メーカーB社では、製品のほとんどが国内自動車メーカーに納入されています。

自動車部品業界は競争が厳しく、将来を見据えた「筋肉質かつシャープな身体づくり」が求められていました。

課題・問題

紙ベースのやり取りで管理精度は低下し、CADデータも散在

B社では、各自動車メーカーと取引がある関係上、3次元データを受け取るためのゲートとして、各自動車メーカーが利用する3次元CAD導入し、合わせて自社の設計効率を高めるため設計の3次元化を推し進めてきました。

さらに、3次元データを生産準備工程でも有効活用するためデジタルモックアップツールを導入するなど、段階的なシステム化を図ってきました。「ICT化をはじめとする業務改善は部門単位で進めてきましたが、一方で部門間のシームレスな連携に関しては遅れている状態でした」と、製品開発部のN氏は語ります。

「また、取引先ごとのCADデータが散在していた上に、自動車部品特有のシリーズ物や形状の類似製品が多く、データの上書きミス、紛失、無断持出しなどのリスクに絶えずさらされていました」と、設計部のT氏は言います。

 

設計変更時、部品手配や組立現場で情報が錯綜

特に設計部門では、設計変更情報を他部門に展開するツールがなかったため、部品の手配ミスをしたり、組立工程で混乱するという問題がありました。

また、同じ設計部内でもデータの蓄積や共有化が図れていなかったため、同じミスを繰り返すというようなことも起こっていました。

「設計部門で大きな課題となっていたのが、図面や部品表の版管理でした。設計の途中で頻繁に作り直し、検討を重ねながら設計を進めています。組立図や部品表などすべて手書きで版管理をしていたため、製造工程に入った段階で確認している版が違うというミスが発生していたのです。また版を変えた場合には管理職の承認が必要になりますが、そのスピードアップも課題でした」とN氏。

設計部門では、図面とは別に、製造部門に渡す手配書や製造指示書も作っていたことから、図面と文書を紐付けて一元的な管理も行いたいと考えていました。

 

課題解決のポイント
1.設計・製造・調達と部門間のシームレスな連携を実現したい
2.頻繁にある設計変更にミスなく対応したい
3.設計変更通知書、手配票、組立指示書など技術文書を体系的に管理したい

解決策

解決後の効果・結果
1.BOMを基軸にCADデータ管理オプションも導入し、上書きミス、紛失、セキュリティ対策を向上
2.BOMの導入により、設計変更情報が一元的に管理され、電子承認でスピードアップしただけでなく五月雨式の先行手配でリードタイム短縮。さらに、図面と技術文書の紐付と体系的な管理ができ、部門間情報共有と検索時間の圧倒的な短縮が進んだ

 

BOMだけでなくCADデータ管理ツールも導入し社内リスクを軽減

B社では富士通のPLEMIAを導入。BOM(部品表)ベースのオプションのCADデータ管理オプションも導入しました。

「今では、CADデータの版数管理だけでなく、ユーザー管理やセキュリティ対策もでき、かなりのリスクヘッジができました」と、プロジェクトを担った設計部のT氏は言います。

設計部門では、CADデータ管理ツールから製品の構成情報を抜き出し、採番と品目管理、製品に関わる様々な情報を管理する設計BOMを構築。

 

また、生産管理システムにスムーズに手配情報を流せるように製造BOMも構築しました。

こうした流れにより、設計と製造間で、CADからCADデータ管理、設計BOM、製造BOM、生産管理システムへのデータの一気通貫連携を実現。製品出荷までのリードタイムが大幅に短縮されました。

単なるBOMの構築から技術部門の統合データベースへ成長させることにも着手

PLEMIAにより、設計変更の際の版管理の手間が削減でき、設計や製造部門間でのミスがなくなりました。

また、電子承認機能により、管理職の承認もスピーディーになりました。 「設計部門で図面とは別に、製造部門に渡す手配書や組立指示書を作っていましたが、それも図面とともに一元的に管理できるようになりました。

さらに製品開発するうえでの様々な技術文書、参考文献情報なども全て管理できるようにしたので、検索時間は圧倒的に短くなりました」と製品開発部のN氏はPLEMIAの導入の効果を語ります。

 

設計と製造間のBOM連携で大きな成果が出たことで、B社では次のステップとして、ユーザーからのクレーム情報や不具合情報を登録、蓄積し、BOMと紐付にすることを検討しています。

つまり単なるBOMではなく、社内ノウハウが蓄積されたナレッジデータベースの側面を、BOMに持たせる検討に着手しています。

 

出典:『設計・製造・調達間でBOM連携を実現し、 一気通貫体制で企業競争力の強化を図る』株式会社富士通マーケティング