製造現場にもワイヤレスの波。無線が開く新たな世界に期待

製造現場にもワイヤレスの波。無線が開く新たな世界に期待

「ワイヤレス技術の活用が製造現場をどう変えるのか?」HMSインダストリアルネットワークスが毎年発表している予測によると、2016年に産業用ネットワークのなかでワイヤレスの占める割合は4%まで上昇。IoTの進展により、製造現場にどんどんとワイヤレス技術が取り入れられていくと見られている。

▼産業用ネットワークには信頼性とロバスト性が最も重要とされる。これまでは、遅延やノイズ、セキュリティ面の不安から、設備の稼働といったコアな部分ではなく、遠隔監視やデータ収集など、活用は一部に限られていた。しかし、IoTの時代では、それらこそ大事とされ、センサなどエッジ部分のIoTデバイスの急拡大と歩調を合わせるようにワイヤレスも急拡大している。

▼価格やセキュリティ、ノイズ対策など課題はまだ沢山あるが、IoTがビジネスになると分かってからはメーカーやベンダー間の競争が激しくなり、次々と問題解決が進んでいる。また920MHz帯というノイズに強く、到達性も高い周波数も開放され、環境が整いつつある。ワイヤレス技術が旧来の概念や仕組みを変え、新たなビジネスを生み出すことを、私たちは携帯電話やスマートフォンで身を持って体験している。これから産業用ネットワークにワイヤレスがもっと普及することで広がる新しい世界が楽しみだ。


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。