製造業は日本の文化、魅力を生み出す源泉である

製造業は日本の文化、魅力を生み出す源泉である

機械の稼働音と油のにおいが充満する町工場。そんな町工場の音と映像をリミックスしてミュージックビデオで公開する工場音楽レーベル「INDUSTRIAL JP」が話題だ。ねじやばねを作る工程の映像に合わせて人気DJがリミックスしたクラブミュージックが流れる。その様子がクールでカッコイイと高く評価され、実際の動画を見ると確かに素晴らしい。町工場のイメージアップに期待大だ。

▼数年前には、配管がむき出しのプラントや工場を愛でる「工場萌え」がブームになった。メーカーで研究や開発に携わる理系女子、通称リケジョなんて言葉も流行した。もっと前には、究極の技術同士を戦わせるテレビ番組や、製造工程を見せて何を作っているかを当てる番組も人気があった。日本には何年かおきに製造業をネタにしたモノが流行する傾向がある。こうした例を見ていると、日本人は本当に製造業が好きで、ものづくりが身近にあることを感じる。

▼世界は日本に対し、「長い歴史が紡いできた和の歴史」と、デジタル製品やロボットのような「最先端技術を生み出す風土」という、相反する2つが融合していることをユニークと評価している。どちらかを持つ国はあるが、両方を持つ国は世界でも珍しい。製造業の衰退は日本の魅力を失わせる。製造業が元気になることで古い文化が輝きを増し、さらに新たな文化を生み出す。やはり製造業が今後の日本の鍵を握っている。

参考:INDUSTRIAL JP


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。