自社と外注先の在庫を「見える化」し、スピーディーで精度の高い納期回答を...

自社と外注先の在庫を「見える化」し、スピーディーで精度の高い納期回答を実現

業務改善例 素材メーカーM社 様
年商300億円
(2011年05月09日更新)

背景

ニーズの変化や需給の変動が激しくなっている中、無駄な在庫を持たず、効率のよい生産体制を確立することは常識となっている。

とはいえ、取引先からの急なオーダーに対し、その都度スムーズに対応することは決して容易なことではなく、例えば納期回答一つをとってもさまざまな課題が浮き彫りとなっている。

課題・問題

納期回答の遅れにより、顧客からの信頼度が著しく低下

顧客ニーズの多様化、グローバル化が進み、品質向上はもとより、コストダウンや短納期化など厳しい要求を迫られている製造業。

より緻密な生産計画が不可欠とされる中、衣料品関連の素材メーカーM社も従来のやり方に限界を感じていた企業の一社でした。

 

「当社では数年前から受注生産に移行。なるべく無駄な在庫は持たず、必要なものを必要な時に必要な量だけジャストインタイムで生産する方式をとっていました。

ところが、昨今の不安定な経済情勢下にあって取引先からのオーダー変更や急ぎの依頼が相次ぎ、そのたびに生産計画をイチから見直すなどの対応が必要に。

結果、納期回答に時間がかかっていました」と語るのは、M社情報システム部のT氏。

 

納期の設定ミスによる納期遅れも起こるなど、取引先の拡大どころか、継続契約さえ危ない状況に追い込まれていたのです。

作業負荷や部門間の軋轢で、社内の雰囲気も悪化

苛立ちを感じていたのは取引先だけではありません。

生産計画の変更といっても単に数量だけではなく、素材や部品の仕様そのもの、あるいは設備自体に変更が生じる場合などさまざま。

納期を回答するにあたっては、ライン負荷や在庫有無、部材調達可否、社員・パートの人数といった諸々の制約条件に照らし合わせることも必要で、そうした対応に追われる現場の社員からも「生産性が上がらない」「残業が多い」といった不満の声が頻繁に聞かれるようになりました。

 

また、こうした状況では顧客と直接やりとりしている営業部門と生産部門の関係も良好であるはずがなく、納期をめぐって度々衝突。

さらに外注先との連携が弱く、納期管理も十分に行えていないなど、すべてが悪い方向へと転がりかけていました。

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解決策

計画管理によって、納期回答のスピードと精度がアップ

情報システム部のT氏のところへ話がきたのは、ちょうどそんな時でした。

「生産部門で責任者を務めている人間から話があり、現状の課題を一通りヒアリングしました。

そして思い当たったのが、他のシステムでもお世話になっている富士通の生産管理システム。

 

多品種少量生産の時代にあって計画管理が不可欠とされる中、システム導入も計画作成も簡単に行える点。

そして、各業務パッケージとシームレスな連携が可能で、会社全体の利益を踏まえた情報統合につながる点も評価できました」

 

当システムの導入により、取引先からの頻繁な仕様変更やオーダー変更、特急依頼などにも迅速な回答が可能になり、納期遵守率が従来の20〜25%向上するなど、一度は失いかけた顧客からの信頼を取り戻すことができました。

外注先との連携により、すべての在庫をコントロール可能に

また、下請け先が多いM社にとって、他社との情報連携が可能なことも大きなプラス要因でした。

「当社の場合、納期回答にあたっては、部材調達をしている外注先の在庫状況も大いに絡んできます。

その点、このシステムはEDIによる外部との連携が可能で、外注先の在庫状況もすぐにわかります。

 

つまり、自社・他社含めすべての在庫をコントロールしながら顧客の要求にフレキシブルに対応していくことができるのです」と、T氏。

システム導入で納期回答の精度が上がったおかげで、営業部門と生産部門の軋轢も解消。

今後はシリーズ製品ならではの拡張性を活かし、基幹システムをはじめとする他システムとの連携を積極的に図っていくそうです。

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出典:『自社と外注先の在庫を「見える化」し、スピーディーで精度の高い納期回答を実現。』株式会社富士通マーケティング


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