結果だけではなくプロセスも大切
このタイトル、よく耳にしますよね。
ものづくりの現場でも、標準手順書を読んでいて、
「なんでこんな面倒な手順を踏むんだろう?」
「こっちの手順の方が簡単なのに」
と感じたことはありませんか?
……得られる結果は同じでも、規定されたプロセス(=手順)には大切な意味があるんです。このことについて、最近私がハッとさせられた体験談を皆様にご紹介したいと思います。
とある講習の中で、Excelファイルをモニタで共有しながら編集をしていました。議論が行ったり来たりすることがあるため、こまめにファイル名を変えて変更履歴を残すことにしていたのですが、編集を担当していた方は次のような手順でファイルを保存しました。
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①現在編集しているファイルを上書き保存して閉じる
②①のファイルをコピーして新しいファイルを作成し、ファイル名を変える
③②で作成した新しいファイルを開いて編集を続ける
そこで指導をしてくださっていた先生から、ファイル作成手順に指摘が入りました。教わった正しい手順は次の通りです。
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①現在編集しているファイルを上書き保存する
②①のファイルを開いたまま、[名前を付けて保存]から名前を変えた新しいファイルを保存する
③そのまま開いている新しいファイルで編集を続ける
どちらの手順も新しいファイルをコピーして作成し編集をする、という結果は同じです。しかし、最初に示した手順では、③で誤ったファイルを開いてしまうリスクがあります。後から教わった手順では、開いているのは必ず最新のファイルですので、この誤りは起こりません。
このことから私は、規定されたプロセスにはリスクを回避するための工夫が凝らされている、ということを学びました。手順書に疑問を感じたら、今一度きちんと読んで、背景を理解した上で改善が必要か判断しましょう。