競争相手の見極めを間違えない 今後のライバルは海外企業である

競争相手の見極めを間違えない 今後のライバルは海外企業である

中国ロボットメーカーの紹介が好評だ。まとめている本人も、中国にはこんなにロボットメーカーがあり、垂直多関節も、スカラもパラレルリンクも、さらには協働ロボットのようなものまで揃っているとは正直驚き、新たな発見の連続だ。まだ中国市場では、日本を含めた海外メーカーが優位だが、中国が国を挙げて支援しているというのだから、今後を考えると脅威である。

中国の有名メーカーと言えば、携帯電話のシャオミ(小米科技)、通信機器のファーウェイ(華為技術)、PCのレノボ(聯想集団)、家電のハイアール(海尔集团)、マイデア(美的集団)などがある。いずれも中国13億人という巨大市場を背景に成長して世界に進出した、または近いうちに出て行くであろう企業ばかりだ。しかし、これだけで終わりではない。さらに多くの製品分野で中国ローカル企業が続々と控えている。

孫子の有名な言葉に「彼を知り己を知れば百戦殆からず」がある。敵を知り、自らの力を知れば、何度戦っても負けることはないという意味だ。日本企業のライバルは、日本市場を狙う海外企業ではない。海外の市場で競争相手となる企業であり、それはその市場に参入している海外企業と、いずれその市場で成長してくるローカル企業である。日本市場の動向だけ見て、井の中の蛙になってはいけない。


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。