移動から生まれる経済活動

移動から生まれる経済活動

先日、車で信号待ちをしていたら脇を何かがスルーっと通り抜けた。

バイクやスクーター、自転車ではなく、ランニングしている人とも異なるフォルムの正体は電動キックボード。立った状態でスーッと横を通り抜け、そのまま先に行ってしまった。

 

電動キックボードは3万円程度から商品があり、走行可能距離が長いもの、出力の大きなモーターを内蔵してスピードが出て上り坂にも強いものなどが10万円程度で購入できる。

一般的な通販と、クラウドファンディングなどで購入者を集める形で売られている。保安部品をつけてナンバーを取得し、自賠責保険に入れば原付として公道も走ることができる。

1回の充電で20キロメートルから40キロメートル程度走れ、なかなかの人気のようだ。電動アシスト自転車の次の身近なモビリティとして期待されている。

 

コロナ禍で続いた外出自粛もようやく最近になって緩和され、キャンプや釣りといったちょっとした外出やレジャーがにぎわっている。我慢からの開放感はとても気持ちの良いもので、外に出ることの喜び、移動の楽しさを再確認したかのようだ。

電動キックボードは、いわゆるパーソナルモビリティであり、自転車よりも広い範囲を手軽に移動でき、自動車やバイクよりももっと手軽に移動できる。

生産ラインにおける人やものの移動は価値を生まないムダとされるが、生活空間では経済を生じさせる。パーソナルモビリティを普及させ、経済を動かすには絶好のタイミングだ。


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。