研究開発業務の付帯作業を軽減し多様化するニーズへの対応力を強化

研究開発業務の付帯作業を軽減し多様化するニーズへの対応力を強化

化粧品・トイレタリー業C社様
OEMメーカー 部署:製品開発部 年商:30億円 従業員:150名

背景

「多品種少量」、「差別化」が常にキーワードとなる化粧品業界。

その時々のトレンドや世代のニーズに幅広く応える商品ラインナップを揃えるため、ブランドメーカーが処方開発を外部委託するケースが増えています。

化粧品OEMメーカーであるA社では、少人数の研究員で年々増加する開発依頼に対応するため、人手による作業を見直し開発業務の短縮・効率化を図りました。

課題・問題

人手による作業を見直す前に発覚した課題

人手による作業の見直しを検討した結果、最初に問題となったのが「各々が共通の情報を利用しているのか?」ということでした。

マスターとなる原料、成分情報が別々のExcelに記載されており、処方開発時に各研究員がそのExcelからコピーして利用していることが判明。

さらに配合表もその原料・成分マスターExcelからのコピー、もしくは手入力で作成していたため、転記ミスが多いという実態も明らかになりました。そのため、名称変更時の対応や転記ミスの修正に本来の開発業務ではない余計な時間を費やしていました。

 

自動化、共通化できる業務を各研究員が独自で手作業で実施

原料や成分のマスター統一、Excel自体のコピー流用禁止といった運用ルールにより、『最新情報の共有』という点では改善されました。しかし、『付帯作業を削減する』という本来の目標を達成するには、まだ多くの課題が残っていました。

配合表から成分を分解し全成分リストを作成する、その全成分リストをベースに配合上限規制を確認するといった業務は手作業のまま残り、さらに関係部署への情報展開書類も新たに一から作成しているという状況は変わりませんでした。

『付帯作業を削減する』ためには、人手による作業を削減することが必要だったのです。

 

課題解決のポイント
1.原料・成分マスターと配合表が別々のExcelで運用されているため整合性がとれない
2.成分計算や規制チェックを手作業、目視で実施しているためミスが多い
3.書類に必要な情報を複数個所から集め再編集しているため時間がかかる

解決策

解決後の効果・結果
1.各種マスター、配合表、全成分リストを一元管理することで修正漏れを解消
2.定型的な成分計算や規制チェックをロジック化することで人為的なミスを撲滅
3.書類の定型化、システムからの情報自動出力により書類作成時間の大幅削減

 

作業の定型化、自動化が業務効率化のカギ

Excelでの管理に限界を感じた担当者は、システム化を検討するため調査を始めました。そこで見つけたのが化粧品の処方管理事例を掲載していた「PLEMIA M3 CPGエディション」です。

研究開発業務に関連する情報を一元管理することはもちろんのこと、今まで手作業で多くの時間を費やしていた、配合表から全成分の計算・リスト作成、配合上限のチェックを自動化できたことで、人手による作業を大幅に削減。

また、システムに登録された情報をもとに書類作成を自動化、さらには、紙として必要な書類を最小限にしたことで環境への配慮という意味でも貢献できたと話されました。

多様化するニーズの対応力をさらに強化するために

システム化による恩恵はそれだけに留まりません。『付帯作業を削減する』というのが最大の目標でしたが、「PLEMIA M3 CPGエディション」を利用したことによって情報の『蓄積』と『トレース』もできるようになりました。

普段埋もれがちな試作段階の配合表をノウハウとして蓄積できる、特定の成分を含む配合表や商品を検索できるようになった事は、『付帯作業を削減する』という目標と同じレベルのインパクトがあったそうです。システムの力を借りながら研究開発業務をさらに効率化し、多様化するニーズに応えていきたいと語って頂きました。

将来的には「PLEMIA M3 CPGエディション」で作成した配合表を、基幹システムへデータ連携させることで、情報の一気通貫も視野に入れておられるようです。

 

出典:『研究開発業務の付帯作業を軽減し多様化するニーズへの対応力を強化』株式会社富士通マーケティング