生産・販売・在庫情報の適正管理で、大幅な在庫圧縮が実現

生産・販売・在庫情報の適正管理で、大幅な在庫圧縮が実現

電子機器メーカーM社 様
年商50億円

背景

価格競争がますます激しくなる家電や電子機器。製造にかかるコスト削減だけではなく、在庫や流通まで含めた見直しが生き残りをかける企業にとって急務となっている。

課題・問題

電子機器向けの部品の設計・開発・製造を行う部品メーカーM社も、市場の流れに逆らえず、徹底したコスト削減が不可欠になっていました。

そんな状況のもと、昨年の経営会議にて、社長から在庫削減に関して大きな経営目標が提示されました。それは3割削減する、というものでした。

これまで設備やラインの見直し、人員配置の適正化など、ムダを取り除くためにいろいろな手を尽くしてきましたが、今回の目標をクリアするためには、今までの延長線上の対策では達成が不可能だと思われました。

 

生産計画と実績に乖離。必要な情報が分断されて……

これらの在庫削減策に関して、指揮を執るよう命じられた管理部門長のD氏は、生産から販売までのフローを徹底的に洗い直してみることに。

すると「発注」に大きな問題があることが判明しました。注文が入ると、現場の担当者が棚にある在庫を見て、その量に応じて独断で判断し、発注をかけていたのです。

もちろん、そこには、将来の販売予測もない状態でした。それが、トレンドの移り変わりが速い今、売行きが落ちてくる製品の在庫を山積みにしていた原因です。そんな状況が、多数の製品で発生していたのです。

 

結果をみると、大半の製品で、計画を上回る生産実績が上がっている状況になっていました。

生産・販売・在庫情報がそれぞれの部門・場所で管理されている現状を早急に正さなくてはいけませんが、情報を統合するには、多大な時間とお金の投資が必要に……。

 

課題解決のポイント
1.製造計画と実績に大きな乖離があり、売れない製品の在庫の山が発生
2.発注業務が現場任せに!棚を見て個々の判断で行っている現状
3.生産・販売・在庫情報の一元化には、大幅な時間と工数が掛かってしまう

解決策

単なるシステムの導入は解ではなかった……

「在庫管理」「販売管理」をキーワードにいろいろな情報を集めてみた管理部門では、単にシステムを導入することが解ではないのでは?という懸念が強くなってきました。

 

  • さまざまな形態で管理しているデータを一元化するのは困難
  • 高度なシステムでは、トレーニング含め現場の手間が増大してしまう
  • 大規模な投資をしても、会社として使いこなせないで終わってしまう

 

そこでD氏は、以前から取引があり、信頼できるパートナーであった富士通マーケティングの営業に相談してみることに。

すると、かねてから社内でも問題視されていた“業務の平準化”がカギだと改めて指摘されました。富士通の生産管理システムでは、同じ業種・業界に特化したノウハウをシステムに落としているため、システムに業務フローを合わせることで、標準化が可能になるとのこと。

早速、生産管理部門などの部門長を集めて説明会を実施し、方向性を合わせることにしました。 「いただいたアドバイス通りに進めることで、業務の標準化が大きく前進しました。また、それに伴ってカスタマイズの数も想定の5分の1程度になり、大幅なコスト削減ができました」と語る、部門長のD氏。

 

ムダな在庫を35%も削減!

発注業務も、目視から自動手配へと効率化できた上、在庫の品番をABC分類し、お客様の急な要望にも対応できる状態を維持しながら、ムダな在庫を徹底的に削減できる環境を整えることができました。

結果的に、在庫の35%削減に成功し、課された目標を上回る効果を実現できました。

今後は、現在計画中の新興国などへの海外進出に向け、国内工場でのノウハウを活かして、グローバルでの製造原価の見直しを行っていきたいとのことです。

 

解決後の効果・結果
1.販売予測に応じた在庫管理で35%の在庫圧縮が実現
2.目視作業を徹底排除した自動手配を実現
3.わずか6ヶ月で稼働開始

 

出典:『業務改善例 生産・販売・在庫情報の適正管理で、大幅な在庫圧縮が実現。』株式会社富士通マーケティング