横河電機 ペーパレスレコーダ、エッジコンピューターなどAI機能を搭載
横河電機は、操作性・拡張性に優れたデータ収集制御システム「SMARTDAC+」にAI関連機能を搭載したパネルマウントタイプペーパレスレコーダ「GXシリーズ」と、ポータブルタイプペーパレスレコーダ「GPシリーズ」を4月8日から発売した。また、AI関連機能搭載のデータロギングソフトウエア「GA10」にAI関連機能を搭載して5月13日から発売する。
さらに、各種装置に組み込んで制御を行う耐環境性に優れたエッジコンピューティングプラットフォーム「e-RT3 Plus」にAIプログラミング言語「Python(パイソン)」対応のモジュールを4月8日から発売した。
価格と販売目標は、レコーダ小型ディスプレイタイプ「GX10」「GP10」が33万円から、レコーダ大型ディスプレイタイプ「GX20」「GP20」が48万円からで、年間3万台、データロギングソフトウエア「GA10」は19万8000円からで年間1000本、エッジコンピューティングプラットフォーム「e-RT3 Plus」Python対応CPUモジュールが45万円で年間3000台。
左上から、GA10、e-RT3 Plus、GX/GPシリーズ
今回発売する製品は、世界で初めて収集したデータをもとに予測波形をリアルタイムに描画できる同社独自の機能をレコーダに搭載するとともに、AIを導入することで、顧客の工場内の問題の発生防止や、生産効率向上に貢献する。
AIによって予測波形をリアルタイムに描画できる未来ペン機能を搭載したGXとGPシリーズは、未来のある時点までの予測波形を示すことで、アラームが発生する可能性の有無が確認でき、問題が発生する前に対応策を講ずることが可能。従来、レコーダは過去や現在のデータを収集・記録し、さまざまな設備の監視に活用されてきたが、レコーダ自体に未来予測機能が搭載されるのは世界で初めて。
また、GA10は、収集したデータをもとに、設備が正常に稼働している際の「正常値」を機械学習し、その動きと異なる事象が起こった際には「違和感」として検知する。これによって故障前に保守を行うことができ、生産活動への影響を最小限に抑えることが可能になる。
e-RT3 Plusは、AIを活用した予兆診断の機能を実装する際などに、Pythonの豊富なソフトウエアライブラリを活用することが可能になり、開発期間の大幅な短縮につながる。しかも、優れた耐環境性能をもち、従来のIOモジュールにも容易に接続できるため、開発から実装、運用までを1台で完結することが可能。
また、AI活用に適したエッジコンピューティングプラットフォームとしてさまざまな産業におけるAIの導入を支援できる。さらに、Linux Ubuntuに対応しており、より自由度の高い運用が可能。