横河電機、設備異常を事前予知 キャビテーション検知システム開発
横河電機は、ポンプが振動や異音を発生する前のキャビテーションを検知し、ポンプの劣化防止と保守作業の効率化を図る「キャビテーション検知システム」を開発、1月31日から発売した。
キャビテーションは、流れる液体中で圧力差により泡の発生と消滅が起きる現象で、この消滅の際に発生するエネルギーが設備にダメージを与え、ポンプの劣化や破損の原因の一つになっている。目視での確認ができず、熟練者でも振動や異音が起きる前のキャビテーション発生の初期段階では検知できないという課題がある。
キャビテーション検知システムは、入出力精度プラスマイナス0.075%の差圧伝送器「DPharp EJX110J(ディーピーハープ)」を使用した100ミリ秒(ms)周期の圧力データを、フィールドバス対応のネットワーク経由で生産システム「STARDOM(スターダム)FCN-500」へ収集。
STARDOM FCN-500には、今回独自に開発したキャビテーション検知用ロジックプログラムが搭載されており、キャビテーションの有無をリアルタイムで演算する。従来は定量的な把握が困難だったキャビテーションをリアルタイムに把握することで、生産に影響しない程度の流量に落とすなどの対策が迅速にできるようになる。
また、これまで経験に基づいて行っていたプラントで起きる不具合事象の分析も、キャビテーションの定量的な把握により要因分析の効率向上が可能となる。
出典:横河電機「OpreX Asset Management and Integrityのラインアップとして、キャビテーションをリアルタイムに検知する『キャビテーション検知システム』開発・発売」