景気回復しているうちに次の一手を

景気回復しているうちに次の一手を

2017年、景気は回復基調にあり、株価も上がっている。日本経済の足元も堅調なようだ。FA・制御機器業界にとっても良い年になった。IoTやスマートファクトリーへの関心の高まり、労働力不足の問題、生産性向上のための設備投資と開発が進んだ。各社決算を見ても好業績が多く、全体として好調だった。

▼これから数年先の見通しに関しても明るい話題が多い。業界団体が発表している予測を見ても、17年度以降も堅調な伸びが示されている。例えばNECAでは、操作用スイッチ、検出用スイッチ、制御用リレー、PLC/FA、制御用専用機器の5大品目すべてが上期は100%を超えた。出荷総額でも過去最高額を更新し、リーマンショック前の状態に戻りつつある。

▼しかし浮かれてはいけない。長いスパンで考えると、国内市場は縮小傾向。これから先、大きく変化する時代に稼ぐ力をつけるためには、やらなければいけないことが山積みだ。海外への販路開拓、新興国企業との競争対策、労働力不足の解消など。製造工程に限らず、企業のあらゆる面から考えなければならない。勝って兜の緒を締めよ。順調なうちに次の一手を考える。追い込まれてからでは遅いのだ。


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。