日本製造業の本当の強さとは?現場の経験×最新技術を活かす

日本製造業の本当の強さとは?現場の経験×最新技術を活かす

「宝の持ち腐れ」という言葉がある。私の趣味の道具がそうだ。プロが使っている道具と同じモデルを使っているが、その100分の1の性能も出し切れていない。私自身はそれを使うことに酔いしれているから良いが、道具はたまったものではないだろう。自分の能力を出し切れないのだから。

 中国は巨大な資本力を背景に最新の機械や製造装置を導入し、急速な工業化を遂げた。しかしそれは機械の性能頼みによるものが多く、現場力を十分に育成し、醸成できたとは言い難い。いまだに品質問題が後を絶たず、つい先日もサムスンの中国工場で廃バッテリーから出火し、大規模火災が発生した。工場や装置は立派でも、その利用や管理体制には穴がある。工場や製造装置の立場からすれば「勘弁してくれよ」という気持ちだろう。

日本の強みは品質と言われるが、それは結果に過ぎない。本当の強さは、過去から脈々と培われてきた品質に対する意識と、それを生み出し、維持し続けるための技術、安全対策など現場の経験だ。機械や製造装置を使いこなす技術もその一つ。最新装置も日本の技術者の手にかかれば性能を十二分に発揮して輝きを増す。その結果が、他者には生み出せない製品、品質になり、差別化要因になるはずだ。


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。