日本人総経理・工場長は孤独?!(その4)
前回の続きで、ある総経理の問題についてです。
生産が始まっているので対応の主体は工場側でした。ここで問われているのは技術的な対応や生産の条件設定、そしてその管理です。中規模な工場で総経理が陣頭指揮を取らなければ、中国人スタッフも動かない、まだそんなレベルでした。
技術的な面が苦手な総経理はわからないながらも、自分なりに状況を整理して生産条件を設定するためのテスト指示を出し、その結果を見て次の対応を決めることをやっていました。
頑張ってはいたのだけれども、自分がやっているやり方が本当にいいのか、これで解決に向かうのか、本当はもっと違うやり方があるのではないかと言う想いが常に頭をよぎっていました。
本社から責任者として送り込まれているので、出来ないとは言えず、上記のような想いも本社サイドには言えずに1人で苦闘していた。ひょんなことからわたしにはそれら想いを切々と語ってくれたのです。
これを読んで本社にちゃんと言って応援をしてもらえばいいじゃないかと思っている読者の方もいるだろう。しかし、そんな単純なことではないのですね。
工場トップとしてその立場に立つと、簡単に本社に応援を頼めない、工場サイドで何とかやらなくてはならないと考えるものです。そう今後の自分のキャリアもかかっているのだから。
話は変わりますが、この総経理、労務管理は信頼おける中国人に任せており、基本的に最終承認だけを行っているが、そこでしっかりと押さえている。言い方は悪いが任せている。中国人の好き勝手や暴走は許していない。
労務管理に関しては、このやり方でうまくやっているトップの方が多いように思う。
中国人のことは中国人に任せて、ポイントだけはしっかり外さないようにすることがよいのではないか。
出典:中国工場での品質管理・品質改善