日本ロボット工業会 実装間通信で分科会設置 M2M連携 標準規格策定へ

日本ロボット工業会 実装間通信で分科会設置 M2M連携 標準規格策定へ

来年6月めど プロトコル制定

日本ロボット工業会(JARA)は、電子回路基板製造装置間の通信方法(M2M連携)に関する標準規格策定に向けた「実装機器通信規約標準化分科会」を発足させた。この分野で実績の高い日本からの標準化規格提案により、国際標準規格制定に向けての主導権を握る。

現在の電子回路基板製造ラインには、一般的に印刷・検査・マウンタ・リフローなどのさまざまな装置と、それらをつなぐ搬送装置が存在し、かつそれらのメーカーが異なっているケースが大半となっている。このため、装置内の基板情報の管理方法や、他の装置との通信方法は各社独自プロトコルとなっており、ライン全体での一貫した情報管理には相当の手間とコストが掛かり、ユーザーの負担になっている。

IoTに対応したつながった生産情報を進める上からも、基板の詳細な生産情報を管理する必要があり、この間の通信プロトコルも統一が求められていた。

標準規格化についてはこれまで各メーカーが独自に取り組みを行っていたが、これをJARAの分科会としてスタートさせる。

同分科会では、実装ラインに設置されたさまざまな製造装置間の通信ルールを標準化することで、企業の垣根を越えた実装システムをユーザーがシンプルに構築しやすくなり、生産管理の容易化・変種変量生産への迅速対応などが可能になるとともに、M2M連携のしやすさから、メーカー各社にも新たな価値提供を生むチャンスとなるとしている。

参加事業者は20社

スタートでは、電子回路基板製造装置、およびその関連ソフトウエアを製造する事業者20社が参加。初年度の分科会長に富士機械製造、副分科会長にパナソニックが就任し、ヤマハ発動機、JUKI、オムロン、サキコーポレーション、タムラ製作所、CKDが幹事会社となっている。

今後毎月1回程度の会合を重ねながら、2018年6月頃までにつなげるための標準プロトコルの報告をまとめる予定で、すでにコネクタの標準化が決まっている。

電子回路基板製造装置間の通信方法については、シーメンスやフィリップスなど欧州メーカーも標準規格化に取り組んでいるが、日本は稼働台数の多さで実績が高い。標準化で先行することで日本の実装業界のさらなる発展を目指していく。

参加企業は次のとおり。

オムロン/小松電子/サキコーポレーション/千住金属工業/タムラ製作所/ナガオカ製作所/名古屋電機工業/日本ミルテック/パナソニック/富士機械製造/マイクロニックテクノロジーズ/マランツエレクトロニクス/武蔵エンジニアリング/ヤマハ発動機/ワイエス/CKD/JUKI/KOH YOUNG TECHNOLOGY/Parmi/Test Research

出典:日本ロボット工業会「実装機器通信規約標準化分科会発足ついて」


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。