新しい技術を使いこなす覚悟を持つ

新しい技術を使いこなす覚悟を持つ

ロボットやIoT、AIといった先端技術はすさまじい勢いで進化し、多くの製品・サービスを生み、新たな価値を引き出している。すぐ先には5Gという通信の大変革が待ち受けており、この動きが加速していくのは間違いない。

その一方で、新しい技術と変化に否定や悲観、懸念や不安を持つ人が多いのも事実だ。安全性や価格、既存技術で代用できるなどマイナスに受け止めがち。その考えは理解はするが、実にもったいない。

 

例えばローカル5Gは、セキュアに高速大容量、低遅延で多接続ができ、IoTを活用した予知保全やAMR(モバイルロボット)を使った効率生産に役立つと期待が大きい。その一方で、設備投資額が高い、LPWAなどでも代用できるなど、懐疑的な意見も多い。

しかし振り返れば4Gの時も同じことが言われたが、今では立派にインフラとして作用し、新しい価値を生み出してきた。Youtuberのような新しい仕事ができたのも4Gがあったからこそ。5Gでもそうなる可能性は高い。新種は新しい種から生まれる。

 

新しい技術に対して産業界がやるべきは、それをいったん受け入れることと、それが拓く可能性と未来に目を向けること。新しい技術の誕生は、同時に私たちの選択肢を広げてくれる。自分たちが何か新しく始められる、上昇するきっかけになるかもしれず、そこに向けて頭を働かせることが大切だ。

日本には今も技術を生み出せる土壌があり、それは大きな強み。技術を尊重し、育てる姿勢は持ち続けたい。


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。