技術者が《海外》とやり取りする際のポイント
をまたいでの事業が当たり前になりつつある昨今、海外を相手に仕事をするということも珍しくありません。
巨大マーケットをもつ中国やインド、経済の中心地である北米、洗練された他国多人種の集まりである欧州など、ものづくり企業にとって海外は無視できないどころか、今後の企業の存亡を占う存在です。
そんな時代にあって海外とのやり取りは非常に大切なミッションとなります。
「若者は内向き思考」と言われているこの時代ではありますが、実は若手技術者の多くは海外でのやり取りに非常に向いているケースが多いです。
内向き志向と言われているのは、インターネットなどが普及し、無理に海外に行かなくても海外の基本情報を取得し、メールはもちろん、顔を見ての音声やり取りが普通になっている、ということが一つの可能性ではないかと考えています。
海外とのやり取りが得意であるというのは、若さゆえの好奇心に裏打ちされたもので、若手技術者を海外とのやり取り窓口にさせる、というのは経験として非常に重要となります。
ところが、留学など何かを「学ぶ」、友達感覚で「好きなことを話す」、というのと異なり、仕事というのは、「議論しながら前に進める」ということが必要となります。
このため仕事として海外でのやり取りとなると、「緊張してやりとりできない」というケースが多々出てきます。
これはある意味不思議な現象です。
このようなケースを打破する一つの手法としては、「ミッションを与えた上で現地に一人で送り込んで経験を積ませる」というのが効果的です。
とりあえず送り込むではなく、明確なミッション(仕事の到達点、成果物など)を与えた上で、海外に一人で送ることが重要です。
達成しなくてはいけない目標がはっきりしているので、言葉も文化も異なる現地で若手技術者は試行錯誤することになります。
この試行錯誤こそ若手技術者の経験の血となり肉となっていくのです。
上司が一緒に行くのではなく、ぜひ、ミッションを明らかにしたうえで独りでやらせてみてください。
後々、海外とのやり取りをこなす頼もしい技術者となるに違いありません。