打ち合わせにおける《機密事項》の取り扱い指示について
技術というのは機密性の高いものが多く含まれます。
これらのデータのやり取りには細心の注意を払う、ということを若手技術者にはよく教育をする必要があります。
実は若手技術者はどこまでが機密でどこから先が機密でないのか、ということについて明確な線引きができない場合がほとんどです。
なぜなら、彼ら彼女らはそこまでの裁量を持って仕事をやらせてもらえる立場にないからです。
社外の方々との打ち合わせを任せることは若手技術者にとって育成の柱ともなる非常に大切なOJTですが、どこまでを話していいのかどこから先は話してはいけないのかということについて、可能な限り明確な指示をしてあげることが重要です。
想定される機密に関する話について、できる限り話の展開を予想し、それぞれのケースでどこまで技術に関する話をすればいいのか、ということをシミュレートしながら若手技術者と事前に話ができれば理想的です。
とはいえ、なかなか想定通りに話というものは進まないもの。
そうなった時にどうすればいいのか。
若手技術者たちは必ずここで悩み、そして迷うはずです。
–これを話したら機密漏えいになるのではないか
そのような言葉が頭の中を駆け巡るでしょう。
この状況を乗り越えるために是非若手技術者たちにかけていただきたい言葉があります。
「後ほど、社内で確認してから改めて返答いたします」
という言葉を使って宿題として持って帰ってきてくれ、ということです。
すべての仕事を打ち合わせで完結させる必要はありません。
中には決められないものがあるので、それは社内に持ち帰ります、という選択肢を持たせるということが重要です。
これは当然できるのでは、と思う技術者指導者層の方も多いようですが、やる気のある若手ほどその場で決めたい、と思うようです。
その無理がたたって、不必要な機密事項を話してしまうという墓穴を掘るということもあるのです。
わかっていると思うが、確認までに。
そんな前置きで、社内に持ち帰るという選択肢について意識を持たせるようにしてください。
そうすれば、話の内容が機密なのかそうでないのか悩んだときは持ち帰ればいい、という思考回路が出来上がると思います。
打ち合わせの前に是非、上記のような声掛けをしてあげてください。