強いものづくり企業になるために!知的資産活用のススメ
貴社の強みは何ですか?と改めて聞かれた時、あなたはすぐに答えられますか?答えられる方は、それがなぜ強みと言えるかを説明できますか?
今回は「強みとは何か」についてじっくり考えてみたいと思います。
1. 強みの定義
広辞苑によると強みとは“他より強い側面。優位に立つ点。強さ。”とのこと。ここでポイントとなるのは“他より強い”“優位”ということです。「得意なこと」は自社のものさしのみで判断できますが、「強み」となると他社と比較して評価する必要があります。
2. 「短納期」は強みか?
他社より短い納期で納品できる、というと他社と比較して優位ととることができ、一見強みであるように見えます。しかし、その製品は他社より短納期が実現できるとしても、新しい製品を作る場合はどうでしょう。短納期を維持できるその理由がないと、自社の強みと言うには難しいと感じます。
3. 知的資産という考え方
知的資産という言葉をご存じでしょうか?経済産業省のホームページには“「知的資産」とは、人材、技術、組織力、顧客とのネットワーク、ブランド等の目に見えない資産のことで、企業の競争力の源泉となるものです。”と記載されています。なんだか難しいですね。
先ほどの例で考えてみましょう。短納期を実現できるのは、「素早く加工できる技術を持つ社員Aさんがいる」「現場の負荷を把握し、無駄のない計画を立てられる生産管理システムがある」「仕入先との関係性がよく、急な依頼でも材料をすぐに納品してくれる」などの特長が自社にあるからです。つまりこれらの特長が知的資産であり、これこそが自社の真の強みと言えます。
4. 知的資産の探し方
知的資産とは具体的にどういうものを指すのか?イメージしづらい方にMERITUMプロジェクトによる知的資産の3分類を紹介します。下図のような分類をイメージして、自社の知的資産を考えることで、強みに気付きやすくなります。 ※出典:中小企業のための知的資産経営マニュアル(独立行政法人中小企業基盤整備機構)
5. 強みを強化するには
「短納期を強化する」と言われると具体的に何をすればよいか、迷ってしまいます。しかし知的資産が認識できれば、強化の方法もイメージがしやすくなります。人的資産を強化するのであれば人材教育や離職防止、ベテラン技術者に長く働いてもらうための環境作りなどが考えられますし、構造資産であれば業務ルールを作り標準マニュアルを作成することや、システムを導入して業務の情報共有を図るなども一手となります。関係資産の強化には、企業間やり取りをクラウドサービスで共有するなどし、コミュニケーションを円滑にすることも有効です。
強みは意識的に強化していくことで、他社に負けないものづくりができるようになります。 テクノアでは、中小製造業様の強みの強化に活用できるITツールを様々ご用意しております。どうぞお気軽にご相談ください。