常識を超えた工夫が新たな価値を生む

常識を超えた工夫が新たな価値を生む

最近の楽しみはTwitter等で紹介されたグルメ技を試すこと。パッと見で躊躇(ちゅうちょ)することもあるが、やってみると意外においしかったりする。

例えばカップ麺のどん兵衛。通常、お湯を入れて5分で食べるところを10分待つと食感が変わってよりおいしくなる。またカップヌードルの麺を食べ終わった後、スープにとき卵を入れて電子レンジにかけると茶わん蒸しになる。最新のものでは、チーズ入りのソーセージを春巻きの皮で包み、電子レンジで加熱するとブリトーのようになっておいしい。

次から次へとアイデアが紹介されていて、日本人の食に対する遊び心と探究心に感心してしまう。

 

こうしたグルメ技のほとんどは、商品パッケージにもどこにも書かれておらず、投稿者自らが「これならおいしくなりそうだ」と思って試したものばかり。メーカーが意図した使い方とは異なり、いわば常識を超えた現場判断の大ばくち。でも意外に成功するから面白い。

「これはこうして使うもの」というのはメーカーが推奨する、その製品が持つ可能性のごく一部。これを超えることで新たな価値が発見され、それによってビジネスが広がる可能性も大いにある。

一見常識はずれでも、従来の枠組みを取り払って実行してみると新たな何かが生み出される。

 

国際ロボット連盟によると、いま産業用ロボットとサービスロボットの垣根が低くなっているそうだ。アプリケーションによっては同じロボットがサービス分野と産業分野で使われていることがあり、特に人と一緒に働く協働ロボットにはそうしたケースが多いという。

確かに最近はたこ焼きロボットなど製造工程以外での使われ方が出てきている。製造工程で人の作業を支援する以外にも協働ロボットは活用可能性を多く秘めている。

「こうしてみたらいいんじゃない」という気づきは、まさにカイゼンであり、日本人の得意技。常識にとらわれず、いろいろ試そう。


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。