垂直統合が活きる時代

垂直統合が活きる時代

デジタル化が急激に進み、社会が一斉にそちらに向いた反動からか、近ごろはデジタルに対してのアナログ、バーチャルなどリアルを重視する意見や活動がポツポツと目立つようになってきた。

いわゆるカウンターや逆張りであり、逆にそれらが彼らの強みや特長、差別化ポイントとなり、評価が高まっている。

 

これまで製造業では効率や合理性を最重要視し、非効率だとされたものは中止、または排除されてきた。

例えば、垂直統合型のものづくり。かつて日本では、製品に必要な部品の製造や社内の生産設備の構築や保守を社内で行っていたが、景気悪化や事業環境の変化にともなって多くの企業が外部調達や外注化などいわゆる分業型にシフトしていった。

その結果、垂直統合型の企業が減り、多くが分社化や事業買収されていった。しかし今、逆に垂直統合型を続けていた企業が強みを発揮できる時代が来ている。

 

垂直統合型の企業は、最終製品とそれに必要なコア技術、製品構成に必要な技術を持ち、目的に向かって一気通貫、自社だけで進めることができる唯一の企業だ。

協業や共創と言われる分業型のシステムが主流となっているが、垂直統合型でもそれは可能だ。垂直統合型の企業は、言い換えれば「社内の技術を大切にしてきた企業」。テクノロジーがビジネスの成否を握る時代、製造業界ではM&Aで足りない技術を補完するのが世界的な潮流になっている。

幅広い領域で多くの技術を持ち、それを磨いていけるのが最大の強み。技術を大事にしてきた強みが活かせる時代がやってきている。


1975年群馬県生まれ。明治大学院修了後、エレクトロニクス業界専門紙・電波新聞社入社。名古屋支局、北陸支局長を経て、2007年日本最大の製造業ポータルサイト「イプロス」で編集長を務める。2015年3月〜「オートメーション新聞」編集長(現職)。趣味は釣りとダーツ。